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コラム『歯科医院経営を考える』

デンタル・マネジメント・センター代表 稲岡 勲

バックナンバー 2019

№497 災害の備えを

昨年は災害の多い年であった。6月の大阪北部地震、7月豪雨、9月の台風21号の被害、北海道胆振東部地震、台風24号の被害等である。特に7月豪雨は広島、岡山を中心に九州から近畿、四国に及ぶ広範囲で被害が出た。この時広島の床上浸水軒数が3,158軒、岡山の1,666軒を初め18県で7,173軒の床上浸水があった。北海道の地震では死者41人、家屋の全壊が409軒、半壊が1,262軒(いずれも内閣府1月発表)である。年々水害被害が増えているように思う。地震の予知はどうしようもないが、風水害については自分の住んでいる土地や河川の状況を把握しておくべきである。特に歯科医院の場合は患者がいることでもあり、もしもの場合を想定して緊急避難の対策を考えておくべきである。特に基本的なことだが、先ず自己の住んでいる土地の特徴を知ることである。その場合に役立つのが国土地理院の航空写真で、今住んでいる土地の住宅地以前の土地の様子が分かる今昔のマップである。(インターネットで「国土地理院・今昔マップ」で検索すれば見られる)一番古い写真では明治30年頃は山地だったとか、池を埋め立てて住宅地にしているとかが大体わかる。埋立地の場合、地滑りやがけ崩れが派生し易いかどうかの予想が付くから予め調べておくべきだ。その上で国土交通省のハザードマップ(インターネットで入力する)で当該地域の災害リスクを知っておくべきである。北海道の地震でも問題になったが、家の建設前に埋め立て地だったという場合は、液状化現象が発生するから注意が必要だ。住んでいる家の下の土地がどういう経過をたどってきているのかを知ったうえで避難対策を立てるべきだと思う。歯科医院ではすでに火災保険や地震保険に加入されていると思うが、昨今の各地での地震災害から地震保険料が見直されてきている。例えば木造住宅の場合、今年の1月から熊本では25.9%、東京で6.2%の引き上げになっている一方、愛知県では9.8%の引き下げになっている。地震保険単独では加入できないから火災保険とセットで加入するが、もし被害が出た場合は、その状況を必ず写真に撮っておくことである。保険会社に実害の証明として証拠写真は絶対に必要である。それと修理のための見積書は準備しておきたいものだ。                                                                                                                                                     (つづく)

玉ヰニュース 2019年 2月号より転載。

№496 若い労働力を活かす

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
昨年11月に友人の経営する会社のベトナム工場創立15周年記念式典に参加する機会があり久しぶりの海外旅行であった。その会社は油圧ポンプの技術が優れており世界のトップシェア70%という技術の優れた会社である。最初は中国に設立する目的で何度も足を運んだそうだが、最終的には中止を決断してベトナムにしたそうである。中止の決断をした理由は、近くの戦争資料館のような所に、かつて日本軍が中国兵や市民を暴行、強姦、虐殺したという写真や絵が掲示されており、こうした雰囲気ではまずいなあと思ったという。しかし今思うに中国に進出しなくてよかったと心からそう思うと吐露していた。それに比べてベトナムは9,700万人の人口で平均年齢が28歳と若く、日本人にはなじみやすい民族だという。社員2,000人を束ねている社長は日本に留学していた40歳台の女性で、日本からの出向は1人しかいないと言う。技術を学ばせるだけでなく、毎年50人程の従業員を日本に派遣して、製品に対する考え、思いを伝えているという。今は相談役になっている彼が工場内に入っていくと全員が一斉に立ち上がり挨拶するという情景を見ていると40年ほど前の日本の朝礼風景を思い出す。記念式典では若い社員が舞台に出て歌や踊りでにぎやかに会場を盛り上げていてベトナムの熱気を感じる一時だった。もう一つ見学した会社は、日本人の女性が経営する会社で日本から出される着物を縫製している会社であった。しかもすべて手で縫っているのである。若い女の子70名ほどが見事に針を操って綺麗に縫い上げているのを見て驚嘆した。特に高額の着物の縫製の受注をしているそうだが、徹底して針使いを教え込み、全てが手仕事だという。どちらの会社も社員への技術教育だけでなく、どのような思想、考えで製品が作り出されているか、製品に対する創業者の思いを学ばせている点にある。縫製工場でも何人か社員を日本に派遣して礼儀作法を学ばせているという。国は出入国管理法の改正をし、外国人労働者の受け入れを拡大する決定をしたが、日本語や、基本的な技術をしっかり教育することと、給与等の待遇面をしっかり守る体制が不可欠ではないか。                                                                                                                                                 (つづく)

玉ヰニュース 2019年 1月号より転載。

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