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コラム『歯科医院経営を考える』

デンタル・マネジメント・センター代表 稲岡 勲

バックナンバー 2018

№494 キャッシュレス社会 

最近はキャッシュレス社会と言われるが、日本は最も遅れた国だと言われており、キャッシュレス比率は20%、つまり現金決済が80%だという。銀行の店舗数やATMの設置台数も多く、現金が簡単に手に入ることや、治安も高く安心して現金を持ち歩くことができる等もその原因とされている。最近は毎月の職員への給与は、銀行振り込みをされている医院がほとんだと思う。だがその振込手数料がバカにならない。先日も取引銀行のATMからある会社に8000円を振り込むのに324円(約4%)の振込料を徴収されたが、これでは銀行も衰退せざるを得ないのではないか。韓国がキャッシュレス比率が89.1%、中国が60%、アメリカが45%、インドが40%だと言われており、日本が最も遅れていると言われている。ただ日本のATMは世界最高の品質で、投入された紙幣の皺を伸ばして整えることから、新しい通帳を取り出して必要な印刷をして預金者に戻すという作業をやってのけるロボット並みの性能で、1台が一千万以上もすると言われている。そうした費用が使用料に加算されて振込料が高くなっているというのである。現状では日常的にも現金を持ち歩くし、ご霊前や結婚お祝い等はそれぞれの決められた封筒に現金を入れて出すのが習慣になっている。ちなみに新札(1万円)の発行が日本で一番多いのが京都だそうだ。その理由は踊りや謡い、書道等の師匠に支払う際には新札できちんと番号も揃えて支払う風習があるからだという。現金の需要はこうした習慣や儀礼が背景にあるということであるから簡単にはなくならないだろう。ただ筆者の場合は、よく出かけるので近鉄系の「KIPS」カードを使っているが、これが便利で近鉄であろうとJRであろうと電車、バス全て乗り物はこのカード1枚で済むのである。しかもこのカードを落として慌てたこともあったが、すぐ会社に連絡すると即座にカード番号の無効を設定してくれて助かったことがある。そういう点でも実に便利である。政府は2025年までにキャッシュレス比率を40%に引き上げる目標を掲げている。このままでは経済的な問題としてインバウンド(訪日観光客)への対応が問題になっている。現金でしか買えないというのでは商機を失う。また現金貯蔵や運搬費用の巨額化である。現金貯蔵や輸送費用関連費用が年間1兆円とも言われているから今後もキャッシュレス社会はどんどん進むのでははないか。

                                                                                                                                                 (つづく)

玉ヰニュース 2018年 11月号より転載。

№493 専門医のチーム医療 

知り合いから歯科医院を紹介してくれと言ってきた。どうしたのか?と聞くと、歯がぐらぐらしてきたので近くの歯科医院に行ったら、即座に「抜きましょう!」と言われて驚き、助けを求めてきたのである。どうしても抜かなければならないという場合もあるのかもしれないが、もう少し患者の歯に対する思いを聞いてもらってもよかったのではないかと残念に思う。この患者は生まれて初めて歯科医院に行ったという患者である。そのような事前の情報も予め受付で聞いておくべきであるし、そういう事情が分かれば、口腔内の病状、歯の磨き方や歯への思いも聞き出すことができる。そうすればどうしても抜歯しなければならない事情があっても、その理由、事情を詳しく説明し納得のいくように話せたと思う。都心部で開業している先生を紹介させてもらったが、どのような立地条件でも患者の思いを知るということは極めて重要になってきているのではないか。先生にお任せしますという患者がいるが、それは先生の人間に対する全幅の信頼を表現した言葉だと思う。なおこの患者は資本金5億円の中小企業のオーナー会長だが、心臓手術を受けて障害者手帳を持っている患者でもあり、健康に対する意識も高く、キチンと理解すればどのような負担にも耐えられる患者でもある。医療は今患者一人一人に寄り添う姿勢が求められていると思う。大都市で開業している先生から、分院開業の案内状を頂いた。そこには以下のような文章が書かれていた。「私達が行う全ての歯科医療行為は科学的根拠に基づいています。しかしながら、最も重要なのは患者さんの希望と意思を尊重することです。科学的根拠(サイエンス)に基づきながらも、患者さんの個性(アート)を大切にし、ひとりひとりに最適なテーラーメイド型歯科医療を提供します」とある。その先生は歯周・予防を中心に診療を続けて来られた先生だが、息子さんがアメリカのインプラント学会、補綴学会の専門医、それに勤務医の先生も歯内療法の専門医といった専門医のいる分院を開業された。やはり大都市ではそれぞれの分野の専門医がチームを組んで診療する体制が不可欠になってきていると思う。ただその場合保険はごく限られた範囲に制約されているから一般的には自費診療が中心になるが、患者自身も理解すれば自己負担の重さ以上に自己意識、健康への期待が大きいことを再認識するべきである。                                                                                                                                         (つづく)

玉ヰニュース 2018年 10月号より転載。

№492 地方に医療法人の設立を 

大阪で小学校のPTA役員をしている知り合いが嘆いているのは、近くにタワーマンションができたら転入してくる生徒が激増して校庭に仮校舎を建てないと収容ができないというのである。近くにユニバーサルシティがあり、そこで働く人が急に多く入居してきたという。東京都は2019年より不動産会社が老朽マンションを買い取れば別の場所に建設するマンション容積率をも上乗せできる制度を創設するというが、こうしたタワーマンションの増設には学校や診療所等の公的施設の増設や消防設備も視野に入れているのか?と気になる。東京中央区では2007年から2016年の10年間に35,000人、港区で39,900人の人口増加となっている。多くはこうしたタワーマンションの増設の影響が大きい。都心部への人口の集中現象と一方地方では高齢化とともに人口減少が激しい状況になっている。こうした都市構造の変化と地方の高齢化、人口減少傾向がいろいろな問題を我が国に提起してきている。先日日本歯科医療管理学会が新潟市の日本歯科大学で開催されたが、島根県歯科医師会医療管理部の先生によって「2030年歯科診療所ゼロ時代の到来か?」と題して発表され、「高齢化によりリタイアする歯科医師が増えていき、かつ新たな歯科医師の参入がなかった場合、現在該当する無歯科医師地区に加え、2030年には一次医療(住宅も含む)を担う歯科医療機関が存在しなくなる自治体が出てくる可能性がある」としている。財政状況悪化とともに身動きが取れない状況に陥っている自治体も出てきており、ましてや個人の範囲の限界を超えている。こうした状況を救う手立てとして、医療法人を活用することが出来ないかと思う。個人の先生が中心になり法人化し、できれば最低でも歯科医師3人程度の法人化が望ましい。そのためにはある程度の規模にしなければならないが、介護施設も併設し、小型のバスを巡回させて患者を集めるとともに、訪問診療も手掛けることができれば可能ではないか。地方自治体とも話し合い必要があるが、町おこしの一環として「道の駅」等の人を集める仕掛けと共に働く場を作り、幼稚園、学校等の施設を集約できれば夢ではないのではないかと思う。人材の確保が難しいが、空き家を社宅にして家賃無料とし、将来は医科の診療所も併設できれば最高の立地となると思うが・・・。

                                                                                                                                         (つづく)

玉ヰニュース 2018年 9月号より転載。

№491 今こそ公共事業の拡大を 

今回の豪雨による被災者の方々に対して心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。7月12日に警視庁が発表した被災状況によれば、全国14府県で死者200人、行方不明者67人であるという。今回は九州から中部地方の岐阜県にまで及び日本の西半分が何らかの水害に遇う大災害の事態となった。天気予報の解説を聞いていると予想外の豪雨ということだが、年々災害の規模が大きくなってきているように思う。夏の平均気温の動向や海水温度の動向から明らかに地域温暖化が進んでいると思う。問題はこうした状況下にあって、国土交通省の水管理・国土保全局の資料を見ると治水事業関係費の推移は、平成8年(村山政権)の22462億円をピークに年々減少しており、平成21年(麻生政権)13787億円からさらに減少し、昨年は7709億円でしかない。また日本の過去の公共事業関係費(政府全体)も平成10年には補正予算分も含めて149千億円であったものが、29年度予算では6兆円である。今年6月に日本土木学会が「国難をもたらす巨大災害対策についての技術検討資料」を発表したが、それによると南海トラフ地震の経済被害は20年間で1240兆円だと試算、公共インフラ投資により41%減災できるとし、公共インフラ対策の重要性を強調しているが、国は財政のプライマリーバランスに重点を置いて、徹底した財政緊縮化を図っていることが足かせ手かせになっている。しかし一旦巨大地震や広域の水害が起これば元も子もない。こういう時こそ建設国債を発行して公共事業を拡大すべきである。日本銀行の「資金循環統計」を見ればわかるが、日本銀行が所有する日本国債は昨年の3月末で約3867800億円、日本国債の約40%を所有している。日銀は国の子会社だから返済の必要がないものである。日本国の借金は1000兆円を超えたとか、国民1人当たり800万円超の借入金があるというプロパガンダに洗脳され、マスコミも正しく実態を伝えていない。今こそ公共事業を拡大して将来の災害に備えるべきである。民間資本の活用等という学者もいるが、国の基本となる基盤整備に民間活用等はあり得ない話である。                                                                                                                                 (つづく)

玉ヰニュース 2018年 8月号より転載。

№490 高額治療の自己負担 

若い歯科姉弟の歯科医師二人で歯科医院を経営している歯科医院がある。「か強診」を申請して、地域の来院不能な患者13人への往診を実施し、更に昨年にはCAD/CAMを導入して二人で協力しながら診療活動を続けている。しかしそうすると1レセプトの平均単価が1,900点を超えてしまう。その県の平均点数1,230点だから、平均点をはるかに超えるので保険請求時点で点数をカットして、平均点数を引き下げるという作業をしている。なんとも空しい作業と言わざるを得ない。保険の点数が上ってもこれでは全く意味がない。東京都保険医新聞によると関東信越厚生局東京事務所が公表した2017年度の東京都の1レセプト平均点数は1,179点であり、前年よりも14点も低かったという。2年前の改定では「か強診」等が新設され、わずかではあるが点数の引き上げもあったが、東京都という地域的な特性が反映されているのか、意外に低い点数で且つ平均点数が減少しているのは意外である。なお実施した新規個別指導は280件、個別指導が137件、集団的個別指導が729件だったというが、意外に低い点数に驚くばかりである。しかしその実績に基づいて2018年度集団的個別指導は昨年の平均点数1,179点の1.2倍を超えた点数、1,416点以上の729件の歯科医院に対して集団的個別指導を実施するという。なお集団的個別指導を無断欠勤すると個別指導になるから注意するようにと、東京都保険医協会が注意を促している。なお高点数による個別指導は、1レセプトの平均点数が1,936点以上の医療機関に対して予定されているという。膨張する保健医療財政の維持という視点からこうした制度が採用されているのだと思うが、制度そのものが時代の流れに抗しきれず疲弊してきているのではないかと思う。また財政制度等審議会が提案している給付率自動調整という制度は、一定のルールに基づいて、医療費の増加があった場合、医療費の給付率を自動的に調整して、患者負担に反映させるというものだが、もっと抜本的な制度改革が必要なのではないか。例えばイギリスのように、○○万円以上の高額治療については65歳以上の人には適用せず、受診を希望する場合は自費負担にするといった制度にするべきではないか。

                                 (つづく)

玉ヰニュース 2018年 7月号より転載。

№489 親子承継におけるスタッフの採否 

ある歯科医院で父親から息子への事業承継を実施することになったが、息子は父親が使っていた従業員7人(パート2人)のうち、衛生士の3人(内パート1人)とパートのアシスタント1人は採用するが、後の常勤3人は雇用しないと言って問題になった。この場合新しい院長になる息子に雇用義務はあるのか?が問われるが、社会保険労務士は雇用の義務があるという。院長は代わっても同じ事業所だという理由である。しかし医療機関の場合は、保健所に管理者の届を提出し、明らかに管理者が代わり、診療方針も変るから、診療内容も変わる場合がある。それでも雇用義務があるのか?親が日々の診療でお世話になったという道義的な責任はあるかもしれないが、それを、跡継ぎの次期院長にまで背負わせるのは如何なものかと思う。そこで一旦全員解雇して全員に退職金を支払い、その後改めて次期院長が必要な従業員を雇用するという方法を取った。ところが雇用されない従業員2人(1人は解雇を了解)から不満が出てきて、何故我々は採用されないのか?という。若い院長から見て管理統率できないという懸念からだろうが、このような場合は理由があってないようなものである。最終的には雇用されないスタッフには、「再就職活動の費用」という名目で規定の退職金にプラス1ヵ月分の給与額をプラスして支払い、何とか解決できた。現在は人手不足で就職が容易だから解決したが、従業員の解雇という問題は難しい問題である。今回のケースは労働法の「整理解雇」に該当すると思うが、整理解雇には、①人員削減の必要性、②整理解雇回避のための努力、③解雇対象者選定の合理的な基準、④解雇対象従業員との誠実で十分な協議(納得を得る努力)等々、合理的な基準が必要と規定しているが、実際正直にその合理的基準を考えだしたら収拾がつかなくなるのである。最終的は次期院長(息子)の合理的で納得のいく理由と、院長の積極的で誠実な態度と努力が退職するスタッフの心を動かすのだと思う。それも短い期間に一気にことを運ばないと、採用予定の従業員までもが退職しかねないので注意が必要だ。

                                 (つづく)

玉ヰニュース 2018年 6月号より転載。

№488 ある歯科医の人生 

お付き合いを初めて44年になるK先生が事業承継を終えて院長を退任されることになり、そのお祝いの会に出席した。億円に近い借金を抱え、しかし徹底した診療方針を貫き、どれだけ患者が待っていようが納得できるまで徹底的に診療するという姿勢で、先生の義歯には定評があった。欲しい治療の器械器具があれば即座に買ってしまい経理担当の奥さんがどれだけ苦労したことか。その相談に乗って44年が過ぎたということになる。頑固一徹で口下手な先生だから言葉では出さず、ただ笑っているだけなのだが、行動の端々に奥さんへの感謝の気持ちが溢れていると思う。奥さんも経理の数値について口にしても、先生の診療については一切口出しせず先生の意のままに自由にさせており、典型的な日本人妻であった。退任祝いというより、親しかった先生や一緒に働いてくれたスタッフに集まってもらい皆さんに感謝する会という趣であったと思う。その祝いの席で、口臭についての権威、本田俊一先生にお会いした。本田先生は経歴が実に異才である。山口大学の農学部獣医学科卒で(旧)厚生省に入省し、8年後の退官までの間には大阪大学の微生物研究所細菌血清学部門の研究員となり、その後大阪大学歯学部専門部へ学士編入され歯科医師になれている。日本で初めて口臭について悩む口臭症治療を行った先生でもある。口臭への無臭化技術の確立や口臭症の治療について医学的根拠に根ざした独自の口臭治療を確立された先生だが、こうした特異な人生を送ってこられた先生の話は奥が深い。ところで日歯が8020運動の30周年記念事業の一環として、歯科衛生士と歯科技工士の淡い恋と超高齢社会での歯の大切さを描く映画を製作するという。一般の人々に歯科界のことについて知ってもらう良い機会だと思う。今までTVでのひとコマで歯科医院が取り上げられることもあったが、単なる一風景としての場面であったから、思い切って本格的に取り上げるのもよいことだと思う。ただ製作予算が1億円だそうだが、個人的な感想を言えば、もっとお金をかけて本格的な内容のものでもよいのではないか。オリンピック前で歯とスポーツとの関連に言及するとオフィシャルスポンサーとの関連でややこしくなるそうだから、スポーツにこだわる必要もないのではないか。関係のない一般的な事例でよいと思うが特異な人生を歩んでこられたこうした先生方の一断面を切り取って映画化してもよいのではないか。

                                 (つづく)

玉ヰニュース 2018年 5月号より転載。

№487 種子法廃止の影響 

現在住宅街の一角に住んでいるが、10分ほど歩くと田園地帯になる。その農家の人が週に1回程度、野菜やトマト等をリヤカーや自転車に乗せて売りに来る。今年は厳寒と大雪のあおりで野菜が高騰し、そういう光景も少なくなったが、その農家の人が言っていたことが頭に残っている。売るトマトには虫がつかない薬剤を蒔くが、その薬を使うと手が荒れて困る。自分の家で食べるトマトにはその薬を使わないものを食べており、余ったものを売りに来ているのだという。毎日食べている米や大豆、野菜等について現実をしっかり見つめておく必要があると思う。主要農産物種子法(種子法)が今年の41日に廃止される。この法律は、主食の米、麦、大豆を対象に1952年に制定されたものだが、種子を公的に守る政策という位置づけだ。余りマスコミでは取り上げていないが、今後の我々の食生活に大きく影響を及ぼす法律の廃止だと思う。現在国や都道府県の農業試験場が品種改良をした種子を奨励品種に指定して低価格で農家に販売されてきた。米の場合地域の特性に応じて約300種類の栽培品種があると言われている。これは食糧安全保障の観点から産地の分散化と品種の多様性を確保するという視点や、農家自身が種子を保存して翌年の田植えに備えるといった自主性の確保が目的とされている。ところがこうした公約な農業試験場が縮小され廃止されると、種子の値上がりやその地域の気象条件に合った種子の育成が不可能になる。当然種子の価格が上昇することは明らかで、京大の久野秀二教授の資料によれば、福井県の「コシヒカリ」は20g当たりの生産者渡し価格は7,920円、宮崎県の「ヒノヒカリ」が7,670円、これに対して民間M社の「とねのめぐみ」は17,280円だという。民間が開発した種子の価格は極めて高価で、現在は高価であるため売れないが、公的資金がつぎ込まれなくなったあかつきには種子の価格が高騰することは必至だろう。高齢化の激しい農家は全滅せざるを得ない。それよりも民間企業の種子は優れた特性を維持できるのは一代限りで、農家による自家採取ができない仕組みになっている。一旦その種子を購入すると、その品種に最適な農薬や肥料、農機具を購入せざるを得ない仕組みが延々と続く。里山・田園の風景が消えてなくなるのも時間の問題ではないか。

                                 (つづく)

玉ヰニュース 2018年 4月号より転載。

№486 事業承継の具体策 

ある歯科医院の事業承継に関与することになった。診療所の立地条件は地方都市の郊外に位置し、中心街から7kmほど離れた地域で、小さいマンションや民家が密集している下町といったイメージの場所である。院長の経営方針は歯周予防をメインの診療方針に加え、子供中心の矯正に力を入れてきており、収入もDr2人で9,000万円近く挙げている。医院経営に成功しているといってもよい経営状況である。息子の方は10年近くの他の医院で勤務し4年近く前に帰ってきて父親の院長と一緒に診療を続けている。4年も一緒に診療を続けているのだから上手く交代できるように思うが、それがなかなか上手くいかない。事業承継が上手くいかない問題点の一つは一種の権力闘争の面があるからだと思う。それぞれの診療方針の違い、それに関連した設備投資への思い、診療の対象とする患者層の違い、スタッフに対する期待の違い等々悉く対立する状況にある。親が事業に成功していればいるほど、親自身も診療や経営に絶対的な自信を持っている。しかし息子の方はそういう親の診療や経営に不満を持ち批判的に見ている面がある。日頃の診療内容についてもキチンとルール通りに治療を進めていないとか、従業員に対して甘くなれ合いになっていると批判的に見ている面があり、反抗心からか院長の進めている矯正治療方法とは違う治療方法の矯正の勉強をしている。しかし父親の方にも問題がある。六十歳を超えているのに、老後資金を準備しておらず今後も働き続ける必要があること、また息子への不満をことあるごとに家族や出入りの業者や会計事務所に漏らし自分の考えが正しいことを公言したり、自分が育てた子飼いのスタッフを残しておきたいと思っていること等である。先ず共通の基盤として現在の院長の方針である歯周予防体制は少なくとも3年間は維持すること、従ってそれに従事する衛生士3人は継続して雇用することを確認したうえで、院長の退任とともに、一旦全員を解雇し退職金を支払う。その上で新しい院長が必要な職員を新規に採用するという方法を取る。ただスタッフが解雇を受け入れるかどうかや、期待しているスタッフが残ってくれるかどうかは未知数である。いずれにしても息子の理想とする診療と父親の現実の診療とのせめぎあいが当分続くことになるが、どこかに落としどころを探る日が続くことになると思う。

(つづく)

玉ヰニュース 2018年 3月号より転載。

№485 新専門医認定制度 

新年早々から私事で恐縮だが、風邪をこじらせて肺炎にかかり、近くの内科のT先生に連日点滴を打ってもらう羽目になった。気管支が弱いという点は承知していたがまさか肺炎になるとは考えもしなかった。連日診療を受けて知ったのはT先生の徹底した患者中心の診療姿勢と意外に低い保険点数である。日曜日でも筆者1人のために医院を開けて点滴を打ってくれたことに頭が下がった。しかも意外な低い点数に驚いた。レントゲン写真を撮って210点、点滴89点、投薬167点、再診料125点、合計591点である。献身的な先生と充実した保健医療体制には、ただただ感謝するのみである。ところで今年の4月から専門医の認定制度が変わるという。現在医師は医療法において診療科目として標示しうる科目のうち自主的に選んでそれを掲げることが許されている。これに対して昭和32年に麻酔学会が麻酔指導医制度を定めて以後、次々と各学会認定の専門医が登録され、日本専門医制評価・認定機構に加盟する83学会がそれぞれ専門医を認定していた。しかしそれぞれの学会によって認定基準がバラバラで統一性がないということで、昨年新制度のもとで日本専門医機構が引き継ぎ、新専門医制度がスタートした。この制度により新卒医師は初期臨床研修(2年間)終了後に、19の基本診療領域(内科、外科、小児科、産婦人科、精神科等)のいずれかの専門医資格の取得が求められる。その後さらに専門性の高いサブスペシャルティ領域(消化器、循環器、呼吸器、血液、内分泌代謝など)の専門医を目指すという方向の二段構えの専門医制度である。なお新制度では家庭医という位置づけで「総合診療専門医」が新設された。昨年11月に2018年度の専門研修の一次募集が締め切られたが、内科と外科の専門医になるためには僻地勤務が義務付けられたために、それを嫌った医学生達の内科、外科離れが加速する一方、過剰気味となっている眼科志望者が二割以上も増えたと言われている。研修を受ける医師からすればいろんな症例の研修が受けられる大都市に集中するのは当然ではないか。特に新規の外科医の希望者が少なかった群馬県、山梨県、高知県では希望者がたった1人だったと言われている。これでは地域医療の崩壊は免れない。何よりも幾多の症例を経験している先生だからこそ安心して受診できる患者の立場にもっと配慮した専門医制度であってほしいと思う。

                                 (つづく)

玉ヰニュース 2018年 2月号より転載。

№484 AIによる医療支援

 新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申しあげます。
日本も第四次産業革命に入ったと報じられている。IOTInternet of thing あらゆるものがインターネットにつながる)社会、またAI(人工知能)といったコンピューターが自動学習する時代を総称してそう呼ばれているようだ。建設機械メーカーのコマツ製作所が開発・導入した「スマートコンストラクション」が凄い。今土木業界で話題になっているが、ドローンを飛ばして上空から地形や土地の高精密写真を撮り、その情報を飛ばしてコンピューターに送り、そこで三次元の完成予想図や工程数や施工順序等を計算し、その情報を自動運転するブルドーザーに送り、人手をほとんど使わずに整地を行うというシステムを作り国内各地で運用されている。これによって約1万人の測量士が失業したという。昨今の人手不足がさらにIT(情報技術)化に拍車をかけている現状にある。IT化では一歩進んでいる中国(香港)では、フランス系のスーパーが定員のいない無人のコンビニを出して話題になり初日だけで1万人の来客があったと言われているが、スマホアプリで本人確認をしてから入店し、自分で商品をレジで読み取って買い物をするという。また北京の物乞いはお金を入れる箱ではなく、首にカードをぶら下げていて、施す人は自分のスマホからいくばくかのお金を、カードに転送するという。我が国でもセルフレジを使ったコンビニやスーパーが出てきているが、平成26年には東京大学医科学研究所において、専門医でも診断が難しいとされる60代の女性患者の特殊な白血病を、約2,000万件の医学論文を学習した人工知能(AI)が10分ほどで見抜き、担当医に適切なアドバイスをして女性の命を救ったことで新聞に大きく報道されたことがあった。また歯科においてもIT化が進んできているようだ。矯正治療のために子供の口腔内を口腔内スキャナーで撮り、そのデーターを送ると、その患者の口腔内の治療開始から最後まで、治療経過の治癒ごとのあるべき写真の明細が送られてきて、それに沿って治療を進めれば、何か月後に完治するといった手法で矯正治療が行われているという。しかし今後いくらAI化が進んだとしても、最終的には人間が最終診断を下すという局面は変わらないと思う。ロボットには人間のような微妙な感情や誇りや哀しみという感情面での真似はできないからである。      

                                                                                                   (つづく)

玉ヰニュース 2018年 1月号より転載。

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