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コラム『歯科医院経営を考える』

デンタル・マネジメント・センター代表 稲岡 勲

バックナンバー 2017

№483 副院長の課題

ある親子診療の歯科医院で、そろそろ息子に院長を譲ろうと、ある日院長が、来年4月に院長を交代する旨をスタッフに話したら、スタッフ5人全員が3月で退職させていただきます、と申し入れてきたので慌てたという。母親が間に入って現在調整中とのことであったが、こういうケースはかなり多い。若い息子から見ると院長の対応が生ぬるいと感じるので、ついつい厳しい態度で臨むことになる。一方スタッフは院長の下で何年も勤務して問題なく働いてきたのに、途中から勤務医で入ってきて、息子とはいえ偉そうに采配を振るう若い息子にスタッフは辟易しているのである。息子の副院長は就業規則やマニュアルがあるのだからそれに照らして違反しているなら、それに照らして減給処分にするべきだと主張するが、スタッフの行動はそう簡単に治らないのである。アシスタントの日常の行動を見ていると、その歯科医院の院長のマネジメント(スタッフの管理)能力が良くわかる。例えば歯科医院のアシスタントは院長の治療方針によって大きく変わる。ただチェアーにくっついて座ってバキュームだけを出し入れし、セメントと印象材を練るだけの医院もあれば、事前に診療予定表を見て本日の患者の治療内容を理解し、患者を案内してチェアーに座らせ、本日の治療内容の説明までする。例えば「今日の治療は患者さんの右上の一番奥の歯の治療をさせていただきます」と断り、患者の近況を尋ね患者をリラックスさせる言葉をかけながら治療の準備を整え治療を待つ等である。それは院長のアシスタントに期待する業務内容とそれを遂行する能力をどこまで期待し行動させているかにある。院長の期待するアシスタントの行動と実際の行動が違っているのであれば、その折には本人の性格やクセを理解した上で期待している行動内容を具体的に、事例を入れて説明し実践させ、それを評価し時には褒め、時には注意しながら着実に行動させることである。副医院長がスタッフからボイコットされるのは、やにわに理想とするスタッフの在り方を押し付けようとするからだが、まず院長が「患者様を最優先に」と言いながら、長い間患者を待たせているとか、やにわに何の説明もなく治療に入るといった行動をとっているのであれば、どう改善しなければならないかを考え、スタッフの行動を子細に観察し、どこに問題があり、どういう行動を期待するのかしっかり観察することが副院長の現時点での課題なのである。
                                 (つづく)

玉ヰニュース 2017年 12月号より転載。

№482 有給休暇の付与日数

人手不足が深刻になり、更に大手企業電通の女子社員の過労自殺をきっかけにして、労働時間の法的規制が厳しくなり、その影響が歯科医院にも出てくるようになってきた。先日ある先生からの相談の電話がかかってきた。三か月前に退職した従業員から、突然内容証明入り郵便が届いた。開けてみたら勤務中の未払い賃金を支払えというもので、時間外賃金は支払ったはずだと思ってよく読んでみたら、朝9時からの始業だが、開始時間の30分前には出勤して診療開始の準備をするよう指示していたその30分と、終業して10分は後片付けをしてから帰るよう指示していた10分の合計140分、それの過去3か年分の残業代として963千円を支払えというものであった。現在もそのルールは生きており、出勤カードにも始業30分前の記録があるという。一度会の弁護士に相談してみるよう話したが、弁護士の先生は支払った方が後で利息の請求をされるよりはよいという返事であったという。またある歯科医院では、パート従業員の助手2人が私達には有給休暇がないのかと質問してきたので「ない」と答えたら労働基準監督署に訴えられたという。パートタイマーでも週の所定労働時間が30時間未満であっても、(1週の労働時間が30時間を超えている場合は、常勤と同じ日数の有給休暇をあたえなければならない)1週の所定労働時間が2日で、1年間の所定労働日数が72日を超えている場合は有給休暇を与えなければならないとなっている。例えば13時間、15日出勤しておれば、1年間の所定労働日数は240時間となり、6か月の勤続で7日の有給休暇を、16か月で8日と、1年毎に1日増えて、6年目からは15日の有給休暇を与えなければならない。しかも常勤従業員の場合は、有給休暇の請求があれば与えるだけで済むが、パートの場合は、1日の賃金を支払う必要があるから経済的な負担の影響は大きい。私共DMCの平成27年の調査では法人も含めて、「規定通り全て与えている」が31.2%、「13日」15.6%、「45日」19.5%、「67日」10.4%、「10日以上」が7.8%であった。規模の零細な医院ほど影響が大きくなるが、渋い顔で与えるよりは、従業員のモチベーションを高める方向に持っていく手腕が問われるということになる。
                                 (つづく)

玉ヰニュース 2017年 11月号より転載。

№481 Jコインと銀行の盛衰

ある先生から質問が来た。日本政策金融公庫から3,000万円借り入れ、現在残高が2,250万円あるが、地元の銀行から借り換え提案をしてきたという。団信の保険料もいらないし、無担保でよく、金利は政策金融公庫が1.15%に対して、1.135%だという。今後の返済期間135か月の利息額が総額で36万円安くなるから借り換えて欲しいと言ってきているが借り換えた方がよいか?という。今日本の銀行、特に地方の銀行は極めて厳しい環境下にある。優良融資先の企業は自己資本や内部留保が膨れ上がる一方で、経営内容の悪い中小企業への融資のリスクが大きくなっていて、金融庁から厳しいブレーキが掛けられており、容易な貸し出しが難しくなっているのである。今まで銀行は中小企業に対して貸してやっているという大きな態度で臨んできたが、最近は今話題になっているビットコインが表れ、近い将来大きく金融界を改革の渦に巻き込む可能性が出てきているのである。ビットコインは仮想通貨であり、世界中で日常生活に「使える」ようにすることを目指して作られていると言われている。仮想の通貨なので紙幣や硬貨は存在しないが、代わりにパソコンやスマートフォンをお財布代わりにして、物の売買が実現できるようにつくられているという。手数料等がいらないか、ごく少額でやり取りされるというが、こうした動きに刺激されて現在ゆうちょ銀行を初めみずほ銀行等の大手銀行が手を組み、円と等価交換できる仮想通貨の「Jコイン」を発行する準備を進めている。これは円との等価交換を前提にした仮想通貨であるから、ビットコインのように相場で上下するという不安もない。国内のお金の動きも最近はATMが普及して、その維持費に1兆円もかかり負担がおおきくなってきていると言われている。従業員の給与を振り込むと同銀行の口座間でも100200円の手数料を取られる等、大手企業では振込み手数料だけでもばかにならない。この構想では利用者がスマホの専用アプリを通じて自分の口座から円を引き出し、Jコインに替えてコンビニや外食チェーンなどではこのコインを支払いに使う。個人間の送金は手数料がゼロになるという。Jコインが発行されれば、アッという間に普及することは間違いない。今後銀行業務が大きく変る可能性が大きく、銀行の淘汰が始まると思う。 
                                 (つづく)

玉ヰニュース 2017年 10月号より転載。

№480 衛生士の給与体系と昇給

地方都市の知り合いの先生から相談の電話がかかってきた。衛生士が突然8月で退職したいという。理由を聞くと「給与が低いから」といい、給与を上げてくれるなら考えてもよいという。給与額を聞くと勤務して5年目に入る衛生士で、支給総額が皆勤手当1万円、衛生士手当1万円、通勤手当7千円を含めて205千円で、歯科医師国保や税金を引くと手取りは19万円を切るという。最近は地方でも衛生士の給与は上昇してきているが、これでは低いと言わざるを得ない。最近は都市部の場合新人の衛生士でも所得税等の控除額を差し引いて手取りが20万円近くになっているケースが多い。少なくとも税等の控除後の金額が2122万円前後になる程度の給与が必要ではないか?聞けば勤務態度もよく、口腔衛生指導も積極的にこなしているという。提案したのは手取りが21万円になるように昇給するということと、昇給決定の前に一度当該衛生士と面談し、希望通り昇給するが、あなたの将来に期待しており、具体的な研修目標を示して、それを習得して立派な衛生士として成長してくれるならあなたの希望を全面的に受け入れるが、あなたの考えはどうですか?と聞いてもらいたいと提案した。特に上に古参の衛生士がいるとどうしても新人の衛生士の給与額が低くなる傾向がある。この歯科医院の場合も50歳後半の古参の衛生士が居てその給与と差額を考慮して昇給を抑え気味にしていた結果が上記の給与額になっている。これは衛生士に限らず看護師の給与も同じような傾向になっているが、30歳後半から40歳近くになると給与ベースが頭打ちになる傾向がある。それは医療界の収益構造の特徴だと思う。ただ管理職の場合は別で、管理職手当がついて給与総額も大きくなるが、医科の看護師の場合は衛生士と同様の傾向がみられる。栄養士の場合もそのようなケースが多い。伸び盛りの20歳代後半の衛生士の場合は、思い切って昇給しベテランの衛生士の給与との差が縮んでも容認するべきである。30歳前後からは、実力主義の給与体系にして、年齢差をなくして先輩の衛生士よりも給与ベースが高いといった給与体系を容認するべきである。ただし古参の衛生士の場合で、後輩の衛生士の面倒をよく見ている場合は、管理職手当の支給によりカバーするべきだと思う。勿論給与ベースだけの問題ではなく、能力、努力等本人の評価を体系づけるべきである。

                                   (つづく)

玉ヰニュース 2017年 9月号より転載。

№479 保険診療で経営の安定性確保

最近大都市以外で100%自費診療の歯科医院が減少してきているように思う。歯の咬合の治療に特化した100%自費の歯科医院とか、義歯専門の歯科医院といった特殊な治療の何軒かは承知しているが以前のように一般の歯の治療で100%自費診療という先生は、大都市を除いて少なくなっているのではないかと思う。インプラント治療を多く手がけておられるが、保険診療も同時に実施しているという場合が多い。東京近郊の歯科医院で歯科医師3人、チェアー18台、衛生士が13人、受付8人という陣容で、300坪の診療所を小児歯科診療棟、自費診療棟、保険診療棟の3棟に分け、歯のメンテナンスは自費で1日の患者数170人~180人(内メンテナンスの患者が約50%)という規模の歯科医院がある。自費診療収入が13,500万円、自費診療比率が60%弱で、歯のメンテナンスを年間5万円の自費で実施されているが、メンテナンスは採算が取れないという。歯周内科としての診断では1クール10万円でDNA検査、除菌、細菌検査も実施しているそうだが、それでも採算が取れないという。この先生の場合診療は9時に始まり、530分に終業を厳守しているという。そうしないと優秀なスタッフの確保ができないのだという。従って患者には仕事を休んで来院してもらい1日ゆっくり治療してもらう。カウンセリングルームではお茶を出しリラックスできるようにしているという。コンシェルジュや受付が接待しており、患者はゆったりと休息し、大体半日は滞在していくという。ある程度患者の歯への意識を高めながら、医院の方針を浸透させ、医院の方針に理解をしてくれる患者を増やすという方針である。理解してくれない患者は他の歯科医院に紹介してしまう徹底ぶりである。保険診療を中心にしながら自費診療も行うという歯科医院は多いが、保険診療の比率の高い医院の場合は、「か強診」の施設として登録し、往診にも出かけるという医院が多くなっているように思う。100%自費診療の医院が減少している原因はいろいろと考えられると思うが、例えばCAD/CAMを使っての小臼歯歯冠補綴の保険収載に見られるようにかなり高度な治療内容が保険治療に適用されるようになったことが大きいと思う。医療法人等の医院規模が大きくなればなるほど、安定した収入確保が不可欠となり、保険診療の安定確保が不可欠となるのであろう。TVで見かける有名人の俳優や会社役員、その家族を患者に持つ歯科医院でも、自費診療だけでは厳しく保険診療の安定確保が不可欠のようである。

                                   (つづく)

玉ヰニュース 2017年 8月号より転載。

№478 歯科技工士の位置づけ

歯科用CAD/CAM冠の小臼歯部歯冠補綴が平成26年度の診療報酬改定で保険導入されて以後、CAD/CAMの小臼歯の治療がかなり普及してきている。大きい規模の歯科医院では自前でCAD/CAM装置を設置している医院もあるが、一般の歯科医院では不可能である。CAD/CAM冠の施設基準では、CAD/CAM装置のない歯科医院はその装置を設置している技工所と連携していることが条件となっている。先日の歯科医療管理学会関西支部の会議で、「歯科医師が保険のCAD/CAM冠の技工作業ができるか」が話題になった。そこである先生が厚労省の医政局に問い合わせたところ近畿厚生局に聞くように指示され、近畿厚生局統括監査課に問い合わせたら「法的な回答を持っていないが、保険請求に関して言えば、①3年以上歯科医療に従事している歯科医師がいること。②歯科技工士が1名以上いること。③設備設置基準を満たし、届け出申請が受理されていること」という回答だった。歯科医師でもCAD/CAM冠(保険)の技工作業は可能で、同治療に関しても保険請求できるということであった。しかし設置基準を満たし、届け出申請をしていても技工士が居ない場合は、保険の請求ができないということであった。これは保険診療における歯科技工士の存在が認定されたということでもある。先日大阪府警生活環境課が、歯科技工士法違反容疑でS社の社長ら役員4人とパート従業員の女性2人(31歳と39歳)を書類送検したが、容疑は無資格のパート従業員2人に、歯形の読み取りや詰め物の加工をさせた歯科技工士法違反容疑であった。同社は受注から3日で納入することを売りにしていたと言われ、20139月から無資格の従業員が作業し、関西を中心に200軒以上の歯科医院へ補綴物などを納入していたと言われている。CAD/CAMの急激な普及で今後技工士の位置づけがどのようになっていくのかは、予測不能だが、歯科技工士の高齢化や技工士学校の定員不足が話題になっている現在、歯科技工士の法的、経済的な位置づけを明確にする必要があるのではないか。場合によっては技工士が技工に関して直接支払基金に保険請求ができる制度を考えてもよいのではないかと思う。       

                                  (つづく)

玉ヰニュース 2017年 7月号より転載。

№477 待遇改善は早めに

従業員23名を雇用している歯科医院の院長に最近の求人事情について話を聞いた。最近の若者の社会的なルール無視は甚だしいという。応募してきて見学の日を決めていても何の連絡もなく来院しないとか、面接のマナーもよいし、採用テストも問題ないので採用を決定したら、何の連絡もなくキャンセルしてしまう等社会常識というものが全くないに等しい者もいるという。全ての若者がそうだとは思わないが、人手不足を背景にして採用される側の身勝手な行動が目に余る例が増えている。一方では基本給や手当がじりじり上がり、パートの時給も最高の東京都が932円、神奈川930円から最低の沖縄及び宮崎が712円となっており、国は時給単価を1,000円にしようという計画もあると聞く。東京ディズニーランド(TDR)の従業員は23,000人ほどいると言われているが、そのうち約8割に当たる18,000人余りがアルバイトだそうである。常に笑顔を絶やさず、ごみが落ちていると素早く塵取りにかきいれる等、その行動は入園者の高い評価になっている。また、にこやかな笑顔を振りまきながらショーの開演前の長蛇の列を誘導しているのもすべてアルバイトだ。TDRはそのアルバイトを含む2万人の非正規労働者を労働組合に加入させ、時給の上限を1,100円から1,350円に引き上げたという。今や年間3,100万人を超える入園者があり、こうした入園者に直接接するアルバイトの労働者に目配りしないとTDRの高い評価を維持できなくなってきているということである。日本の「おもてなし」が海外からの観光客に高い評価になっているというが、人手不足を背景に給与面でコスト高に反映されるようになってきている。電通の新卒社員が過労自殺を図って社会的な問題になったが、それ以後労働時間に対する社会の目が厳しくなってきており、雇う方からすると環境は厳しくなる一方である。歯科医院のスタッフも職員、パート、アルバイト等、いろいろ給与面での差は出ているが、職員と同じ時間働いているのにパート扱いのまま放置している歯科医院も多い。不満がなければよいが、いままで文句を言ってこないから問題ないと考えている院長もいる。もし不満を抱えているなら先手を打って待遇改善を図るぐらいしないと院内がぎくしゃくしだすと取り返しがつかなくなる。特にベテランのパートが多くいる歯科医院は、陰に陽に若い従業員に悪い情報を流す等影響が大きいので、ベテランのパートの不満を聞き出して積極的に対処するべきである。   
                                    (つづく)

玉ヰニュース 2017年 6月号より転載。

№476 老後資金の準備

バーミングガムにあるアラバマ大学が、認知症ではなく一般的な認知を持つ老人の金融行動の低下について、ごく初期の段階の兆候を見分ける五つのポイントを明らかにしている。①お金の計算や支払いの実行に以前よりも時間がかかる。②お金に関する書類を見た時に重要事項に対する注意力が落ちる。③お金に関する日々の計算力が落ちる。④お金に関する概念への理解が落ちる。⑤投資に対するリスクの認識力が落ち、投資のリスクを過少に見積もるとか、リターンを過大に見積もる等の報告がされている。若い時なら事業経営や診療所改築等お金の問題が先に頭にきて、その資金計画に頭を悩ますという場合が多いが、20年、30年と歯科医院経営を維持し、順調に事業を続けて、それ相応の年齢になると明日も変わりなく続くと錯覚してしまうようである。ある歯科医院の院長先生の経営相談に乗っていて驚いたことがある。収入は約6,500万円、所得は1,300万円もあるのに、院長個人の老後資金が確保されていないということである。預金がほとんどないという状況なのである。しかも借入残が1,500万円ほど残っている。院長は勉強熱心だから毎週のようにセミナーや研修会に出かけており、それはそれで大切なこととは思うが、家計の維持や老後資金について全く関心がないし、先生の奥さんも散財に熱心で全く興味がないありさまである。確かに院長が健康であれば80歳でも働けるが、ずっと健康を維持できる確証はないのだから、少なくとも後顧の憂いをなくしておく準備はしておくべきである。子供がいるからと安心もできないし、自立した親を目指すべきであると思う。老後資金は夫婦で月額20万円ではかなり厳しい。60歳代と80歳代では異なるが、一般に夫婦で派手な生活をして散財しなければ月額30万円あれば少しゆとりのある生活ができると言われている。年間360万円である。70歳代ではまだ元気で過ごせるから夫婦で海外旅行でも、となれば当然老後資金の準備は不可欠である。現在65歳で70歳まで働き、71歳からは事業を止めて老後を送るとすれば90歳まで生きるとして20年である。そうすると360万円の20年、7,200万円が老後資金として必要となる。公的年金は全くあてにならないから、今からでも資金準備をしておくべきである。さらにそれに相続という問題を考えると老後資金が不可欠である。そのためにも長期の資金計画を今からでも立てておくべきである。    
                                    (つづく)

玉ヰニュース 2017年 5月号より転載。

№475 給与ベースの見直し

最近歯科医院で目立つのは母親一人で子育てしながら働いているスタッフがいることである。歯科医院のスタッフとして働き易いという理由もあるのかもしれないが意外に多いのが気になる。こうした現状は国会でも問題になっているが、低所得層での子供の貧困問題、教育格差問題が深刻になっている。子供の6人に1人は貧困化しているというが、子供食堂というボランティア団体が経営する慈善事業が繁盛している。平成の世になって以後、日本の景気が停滞した期間が約15年間続いた結果、非正規社員が増え続け日本も所得格差が拡大して子供の貧困が問題になってきた。非正規と言っても「パート」「アルバイト」は主婦や学生が主体で空いた時間を利用して小遣い稼ぎで働いているという人もいるから、そういう人の場合は社会的な問題にはならないが、問題は若い働き盛りの人達の非正規化である。給与は正規の社員の約60%と言われる。大雑把に言って、総務省の統計による全職種の平均月額給与が341,000円であるから、その60%は約204,000円である。これでは平均家族4人の生計費としては無理である。平成28年の総務省の統計「労働調査」によれば、非正規社員2016万人のうち派遣社員が133万人、契約社員が286万人で、合計419万人である。こうした派遣社員、契約社員の給与をどう引き上げるかが課題である。今日本では長時間労働が問題になっているが、非正規社員の給与ベースも問題である。ヨーロッパ特にドイツやフランスでは非正規社員の給与は正規の社員のおおむね80%だというから日本では20%ほど低い金額になっている。時間は短くても労働の質として同じであれば同一賃金にするという考えが重要になってくるのではないか。少子化の問題は、一方で非正規社員の給与水準の問題でもある。子供を作りたくても余裕がない、結婚する経済的な余裕がない等という理由が少子化を顕在化させている。将来は子供の教育費は高校ではなく大学まで無償化するべきであり、その前提として奨学資金制度の充実を図るべきである。OECD(経済協力開発機構)の2016年の統計によれば、教育機関への公的支出の割合が日本は3.2%で、先進国33か国で下から2番目の32位である。1番がノルウェーの6.2%、イギリスが5.2%7位、スイスが4.7%14位、アメリカが4.2%21位である。国の将来を担う人材の育成をおろそかにして国の将来もあり得ない。
                                    (つづく)

玉ヰニュース 2017年 4月号より転載。

№474 感情を持つロボット

患者の口腔内の写真を撮って送るとインプラントを入れるために、歯肉をどのような角度で、どのように開いて植立すれば最も患者負担が少なく、安全にインプラント手術ができるかの方法について教えてくれるというサービスが出てきたと聞いたが、歯科医療にもコンピューターの技術が導入される時代になった。CAD-CAMの技術等は完全に従来の技工所のイメージを変えてしまったと思う。さらに最近は人工知能が話題になってきており、医療の現場ではCTMRIスキャン等で撮影した画像をディープラーニングにより学習することで医者でさえ発見できなかった病気を発見することが可能になったと報告されている。人工知能は成熟度に応じて4段階に分けられるという。単純な制御プログラムから、将棋の名人と勝負して勝ったというコンピューターが話題になったが、これが第2レベル。機械学習を取り入れた人工知能が第3段階で、これはインターネット等の検索エンジンが代表的な存在である。そうして今話題になっているのが、ディープラーニングが取り入れた第4レベルの人工知能である。ディープラーニングとは、機械が物体の特徴を自力で学習することができる技術である。ソフトバンクが開発したロボットのペッパーは、人工知能を搭載していることで話題になったが、ペッパーは感情エンジンと呼ばれる人工知能を搭載しており、人の感情を読み取ることができるためユーザーの悲しみに共感したり喜びを分かち合ったりすることができるという。米マイクロソフト中国拠点が開発した人工知能の人形に中国の8900万人がスマホの画面上で対話を楽しんでおり、いつの間にか友情や恋愛感情を感じるようになったと報告されている。今や人が感じる五感を駆使して人の感情や、気づき、気配りまで計算して表現するというロボットが生まれてきているのである。学習技術と呼ばれる有益な知識やパターンを記憶し、タイミングよく導き出すことでAIの継続的な成長を支えていると言われている。130日付日経によれば英国ではパートナーロボットについてネット上でも議論されていると報じている。高齢になって配偶者に先立たれたら、人間の再婚相手を探すのは容易なことではないが、心を通わせ、その後の人生を一緒に歩んでくれるロボットを手に入れて一緒に暮らせばよいという。しかしいくらロボットが精巧に作られていても生身の人間を超えられるのか?所詮ロボットは最大公約数的な感情を持つ存在ではあろうが、人間のようなその人独自の個性までは持ちえないと思う。                    (つづく)

玉ヰニュース 2017年 3月号より転載。

№473 院長の衛生士教育

ある歯科医院の院長と話をしていて最近の衛生士の問題に話が及ぶと、院長は最近に若い衛生士との接し方が難しいという。21歳と23歳の二人の衛生士がいるそうだが、少し注意をし、苦情を言うとすぐシュンとなってしまうし、言わなければ直そうとしない、だからついつい注意するのをためらってしまうのだという。ある大学の教授がこんなことを言ってこぼしていた。純粋な子ほど「批評」を「否定」としか捉えない。彼らには「称賛」だけが「肯定」なのだ。無暗に褒められてきた子供たち。素晴らしい、天才、といわれなければショックを受け、さらに「ここはよくない」と言われ驚く。彼らはこれを「怒られた」と言う。僕は怒ってなどいない。僕の本音の指摘は「怒り」や「人格否定」と解釈されてしまう。確かに最近の若いスタッフはこうした傾向にあると思う。しかしこういう関係では衛生士の実務能力も伸びないし、ましてや人間的な成長ほど期待できない。衛生士の仕事は単に患者の口腔清掃だけをやればよいというものではない。患者の身体は勿論、感情面のケアもする必要がある。となると衛生士自身の人間的な成長なくして患者と向き合うことが不可能になる。患者の中には怒鳴り散らす強面の患者もいれば、丁寧な言葉遣いをして、一部の隙も見せない患者もいる。それに応じてどう対処していくかは、豊富な人生経験を活かしながら、その場、その時の患者の心理、心情を的確に把握して対処する必要がある。衛生士学校を卒業して初めて歯科医院のスタッフとなり、人生経験豊かな患者を前にして、どうつくろってみたところで患者にかなうわけがない。その時に大きな武器になるのは若い情熱だ。科学に基づいた知識を熱っぽく患者に話し、患者自身のために説いているという熱意で語るしかない。情熱が人を動かすという典型だ。若いうちはそれを武器として必死に対応すればよい。先ず院長は若い衛生士にそれを体験させる努力をすべきだ。とにかく患者に正面からぶつかっていく情熱を鍛える。そのためにはしっかり基礎知識を身に付けさせ、それを臆せず話しかける努力だ。熱意とともに話術も重要になるし、患者がどのような反応を示しているかの観察も重要になる。時には患者の逆鱗にふれ怒鳴られることもあろうが、その時に救いになるのは院長の「よくやっている」という承認と努力に対する惜しみない賛辞である。将来の人材に育つかどうかは院長の対応次第であると思う。              (つづく)

№472 相続対策と遺言

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
私共で毎年続けている歯科医院の経営指標作成が終わりホット一息ついたところだが、平成27年は前半(平成2641日より消費税が5%から8%に引き上げられたために13月で自費収入の駆け込み需要が大きかった)の反動で、対前年比で収入が伸びた医院より減少した医院の方が多くなった。(調査対象の歯科医院は113件余である)対前年比で増えた医院が48.7%、減少した医院が51.3%であった。この調査にご協力していただいた院長の平均年齢が50歳代と60歳代の先生が57.2%を占めている。そのアンケート調査の中で相続について尋ねている項目があるが、相続対策を済ませている医院はわずか7.8%で、しかもその中で公正証書遺言により完全に対策を取られている医院はそのまた半分、つまり4%弱しかいなかった。歯科医院の事業を継いでくれる跡取りが居てもいなくても相続対策は重要ではないかと思う。相続対策をするほど財産はないと楽観されている先生は多いが、相続争いは5千万とか6千万円の少額資産の方が多いという統計が出ている。平成24年に相続争いで家庭裁判所に訴えられた件数は174,494件のうち、遺産相続額1千万円未満が全体の31.9%1千万円~5千万円未満が43.0%という統計があり、5千万以下が実に74.9%になる。今まで相談にのったケースで多かったのは、子供の一人が歯科医師で、その他の子供が医師や歯科医師でなはないというケースである。必ずもめるのは、歯科大学や医科大学に入るのに多額のお金を親から出してもらったではないか、その分を我々に多く分けてもらいたいという歯科医師、医師以外の子供の声が大きくなるのである。父親が生きていればすんなり収まる話も、いないと必ずもめる。だから公正証書遺言書か、自筆証書遺言書にしておくべきである。公正証書遺言書は公証人役場に行って公証人に作成してもらう必要があり、2人以上の証人が必要になる。だから夫婦で行き、税理士に立ち会ってもらう等の方法が必要である。それが面倒な場合は、自筆証書遺言書を作る。これは必ず自筆で記入しなければならないことと、日付も自筆で書き、実印を押しておき(認め印でも認められるが)加筆訂正するときはその箇所に押印しておく必要がある。封筒に入れ必ず封をしておくことを勧めたい。封のしてある遺言書は必ず家庭裁判所で開封されるのが決まりだからである。        (つづく)

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