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コラム『歯科医院経営を考える』

デンタル・マネジメント・センター代表 稲岡 勲

バックナンバー 2016

№471 経営のジレンマ

14日付毎日新聞のトップ記事で「元厚生官僚が不正指南」「診療報酬資料改ざん」として「医療Gメン」をしていた元厚生労働省の官僚が、大阪の歯科医院に不正が発覚しないよう資料の改ざんを指導していたという記事を掲載した。その手口は実に微に入り細にいる方法で、個別指導を実施していた官僚でなければできないような指導内容である。カルテや技工指示書の書き換えから、治療を装うためにレントゲン写真を銀色の色鉛筆で着色し、2年以上前の書類を作り直す際は、水で割ったコーヒーに漬け、ドライヤーで乾燥させ、検査の数字はいろいろな太さのペンで書くように指示していたという。依頼した歯科の先生は、余りの偽装行為に恐れをなして途中で断り不正請求として数百万円を返還して決着したというが、こういう話にむなしさを感じるのは筆者だけではないと思う。ただ厚労省がどう決着をつけるのかに注目したい。歯科医院の経営がそれだけ厳しい状況下にあるという一面も見せていると思うが、今や医科歯科を問わず大学病院でも経営を意識せずにはいられない状況にある。長崎大学熱帯医学研究所内科教授の有吉紅也先生は1023日付日経紙上で「医療の本質と経営のジレンマ」と題して意見を述べておられる。「それまで医師人生の大半をアフリカや東南アジアで過ごし、日本での診療経験が限られていた私はくたくたになるまで時間をかけて診療した。現在もそれは変わらない。いつしか入院患者の数が気になるようになっていた」そうして以前に大学から派遣されていたフィリピン・マニラの貧困街にある国立感染症病院での出来事を思い出して、「ある日のこと。普段はごった返すこの病棟が、ほぼ空だった。看護師や医師が皆ニコニコしている。その光景に例えようのない安堵感を覚えた。患者が少ないのは、たまたま何も流行していなかったからだ。それがこんなにもうれしいことかと改めて思い知った」と述べ、「日本の医療は世界一と思うところがたくさんある。しかし過剰な検査や投薬を控え、良心的な医療を提供する病院が、経営面で不利益を被るとすればシステムのどこかが間違っている。医師たちの労力が医療の本質から離れたことに削がれているように感じ、残念でならない」と。治療行為に対して○○点が請求できるという診療システムそのものの限界が見えてきているのではないか。患者の健康維持・回復にどれだけ貢献したかによって点数(報酬)が決まるというシステムはできないものかと思う。

№470 第4次産業革命

最近はCAD/CAMを使ったジルコニアの義歯が急速に普及している。変色しない、透明感に優れている、金属を使用しないので金属アレルギーの心配がない等々のジルコニアによる歯の治療が増えている。また小臼歯だけだが保険導入されたこともあり普及スピードが上がっている。製作現場の技工所も様変わりしており、コンピューターが並び以前のような技工所のイメージが全くない。東京で開業している知り合いの先生もジルコニアの義歯を奨めており、歯を抜いてミルクに漬けて、その歯の植え替えや移動等という技術を使って想像もつかない治療を進めている。一般業界での技術はさらに進み、アメリカで普及している造語だそうだが、金属(Finance)と技術(Technology)が結びついて「フィンテック」という言葉(概念)が普及し出している。スマートフォンを使って決済をしたり、資産運用、ビッグデーター、人工知能などの最新技術を駆使した金融サービスを指している。例えば「家計簿管理アプリ」等という銀行口座やカード情報を登録しておけば、自動的にどんなものを買って支払ったかといった情報を収集してくれるとか、スマートドライブといった急ブレーキの回数やドライバーの運転情報を収集して、事故の少ないタイプの人には損害保険料を割安にするといったサービスが始まっているという。大阪にサンコーインダストリーという会社がある。工業用ネジを中心に50万種ものネジを取り扱っており、どんな要求にも答えられる品揃えができることで有名な会社だ。そのネジをITで管理しており、エンジニアがコンピューターに入力するとアームロボットが棚から該当するネジを即座に持ってくるという中小企業でもIT技術を取り入れて徹底した合理化を進めている。一時ビットコイン(仮想通貨)が普及したが倒産して大問題になったことがある。34日の日経新聞によれば、政府は「仮想通貨取引の透明性を向上させる法規制案を閣議決定し、ビットコインなどの仮想通貨は【貨幣の機能】を持つものとして、公的な決済手段の一つであると位置づけた」と報じている。今後仮想通貨が急速に普及するのではないかと思う。わずか1,000円の送金でも432円の手数料を取るという規制が最も厳しく、従って新規参入が難しい金融業界は、今後ITの進展とともに衰退する典型的な業種ではないかと思う。しかし銀行業界だけでなく、マイケルオズボーンという経済学者が今後IT関連の技術が普及してくると現在の仕事の47%がなくなると予想しているという。

№469 院長の決断と待遇の公平性

今までいろいろな歯科医院を見てきたが、歯科医院は院長の思想、考え、性格、クセがそのまま院内の雰囲気、すなわち医院の体質にあらわれる。目の届かないところでスタッフがさぼっていないか気になるというので、自動車のバックミラーを院内に2か所設置したという院長もいれば、スタッフの誕生日には1万円のお祝いを渡して1日休暇を与え、家で父や母と一緒に食事をするように指示し、1か月に1回、美容院に行ってきれいになった日は、その費用を負担するという医院もある。院長の考えによっていろいろな歯科医院があってよいのだが、規模は小さくても集団で仕事をしていくのだから、最後は院長(トップ)の決断が必要になるときがある。またスタッフに対して、自分の意志を押し切らないと前に進まない場合がある。組織のトップは孤独であると言われているのはそういう場合を指しているが、何時まで経っても決断しないで先伸ばしする院長がいる。小さな組織であっても集団で仕事を遂行していく場合は、最低限のルールがあり、同時に公私の区別というルールもある。信頼していたスタッフからセクハラで訴えられた院長もいる。心にスキがあるととんでもない事件に巻き込まれる場合が出てくる。そうかといって公私の区別を厳格に守っていると堅苦しい院長と敬遠される。また待遇面では、できるだけ公平に扱う医院であるべきである。ある歯科医院のスタッフは、衛生士以外はすべてパートで、常勤の衛生士と同じ時間働いてもパートという制度を取っている医院がある。院長も認める能力の高い53歳のパートのベテランの歯科助手が、陰で院長の悪口を言い、何かにつけて若い衛生士や助手、受付けに大きい影響を及ぼしている。院長は欠勤の場合は事前に届けを出すか、緊急の場合は電話連絡する等の手続きをとるように指示しているが、この歯科助手だけは時々無断欠勤したり、遅刻したりする。つまり院長の方針に抵抗しているのだが、院長は衛生士だけを特別扱いにしていることに不満を持っていることが理解できないのである。歯科助手であっても常勤とし、年齢、能力からみても院長の片腕として処遇すれば大きい戦力になるのだが、そういう発想ができない。人手不足が深刻になり今後は歯科医院どうしの競争ではなく他業界の中小の企業との競争になる時代。視野を広げて若い人の興味関心にも目を向けていく必要がある。 

№468 自分の限界に挑戦する 

リオのオリンピック会場では日本選手の活躍が目覚しい。特に女子のレスリングが素晴らしい成績を挙げている。58キロ級で伊調馨が、48キロ級では登坂絵莉、69キロ級では土性沙羅が優勝、53キロ級の吉田沙保里だけはだめだった(とは言え銀メダルだったが)、63キロ級の川井莉沙子、75キロ級の渡利瑠穏の5人が金を手にしている。一言でいえば日頃の練習の結果だということになろうが、他の国の選手でも練習を積み上げ闘っているのだろう。とすれば日本の選手はどこが違うのだろうか?指導者、環境、能力、伝統、精神力等々どこに違いがあるのか。解説者の誰かが言っていたことだが、日本の選手は疲れていても行動を止めないことだという。外国の選手は肩で息をしながら一瞬だが手や足が止まるというのである。ところが日本の選手は常に動き続けて自分の限界に挑戦し続けているという。それは克己心の違いであり、自分の体力の限界に挑戦してそれを乗り越えてきた精神力の強さだという。こうした精神力に裏打ちされた強さはどうして生まれるのだろうか?最近は歯科医院でもスタッフの人間関係やチームワークが重要視されるようになってきたが、良好な関係の維持に力が入りすぎて無理をしなくなったのではないかと思う。限界に挑戦するという自己成長が鈍くなってきているのではないか。伸びる素質のある人材に対してはより高度な、レベルの高い目標に向かって挑戦させる厳しさが無くなってきているのではないかと思う。生ぬるい環境ではなく、能力の高いスタッフには高い目標を与え、能力の低いスタッフにもそれなりの目標を持たせて挑戦させるという環境は不可欠だと思う。給与体系等も勤務年数何年であれば○○円昇給といった年数に比例した給与体系が多いが、もっと能力評価を厳しくして給与格差もあってよいのではないか。ただしその能力評価があいまいでは問題が起こるから、能力評価が厳密でなくてはならないし、そうした高い給与のスタッフに対して妬みではなく、憧れる存在になるような環境整備が不可欠である。歯周・予防への取り組みにはそうした厳しい環境整備が不可欠だと思う。生ぬるい環境からは医療事故の発生は多くなっても、能力の高い人材の育成は不可欠だと心得るべきである。

№467 うすき石仏ネット

東京医科歯科大で開催された第57回日本歯科医療管理学会に出席した。その中で講演された臼杵市医師会医療福祉総合センター長 舛友一洋先生の講演「地域包括ケア時代における医科歯科連携とICT活用」に強い興味を感じた。大分県臼杵市は人口約4万人弱、地方の小都市である。そこに「うすき石仏ネット」というICTIT)による医療情報ネットワークを構築して素晴らしい実績を挙げている。平成284月現在で9050人が「うすき石仏カード」を持っているというから普及率は20%を超えている。その目的として挙げられているのは、「患者様のプライバシー保護を厳重に図りながら、診療情報、介護情報の一部を、参加機関間を結ぶネットワークで共有し診療、検査などから得られた多くのデーターを基に治療法を検討し、わかりやすく説明を行い、質の高い安全な医療サービス、介護サービスの提供を可能にすることを目的にしている」としている。インターネットでも見られるので見ていただければわかるが、病院、医院、歯科医院、調剤薬局、検診、介護施設、訪問看護ステーション、居宅介護支援事務所に消防署も含めた広域のネットワークを作り上げ、それらの機関が連携して患者を見守る体制が出来ていることである。その趣旨に賛同すれば同意書にサインをして石仏カードをもらい加入することができるという。ただその石仏カードには患者情報は入っておらず、以前にかかった医療機関が持つ自分の医療現場情報が見られる鍵になっているのだという。患者がどういう薬を飲んでいるかとか、どのような持病を持っているか、認知症の診断を受けているか等の情報が分かるというのは、患者にとっても安心できるし、何よりも医療機関にとって重要な患者情報が入手でき、投薬する場合も安心できる。ただ地域に密着してお互いの顔が見える関係にあるというくらいだからこそ良好な関係が維持できるのだと思う。こうしたICTのネットワークは人口5万人以下の小都市だからこそ有効に機能するのだと思う。問題は今後高齢化が進み人口減少が進んだ時に機能の維持ができるかと言うことである。医療・介護の包括ケアのネットワーク機能を維持していくには、人口動向、交通機関、地域の産業経済等々横の連携が重要になる。つまりその前提になる産業づくり、町づくり、人づくり等の地域活性化の戦略上の視点が不可欠となってくると思う。

№466 税務調査

税務署の人事異動は毎年710日付で実施される。だからこの前後の日程での税務調査はまずない。上記のような事情で6月の調査は何か重要な案件があっての調査ではなく定型的な調査だと言われる。6月の調査は比較的軽く、形式的な調査である場合が多い。人事異動後の9月~12月は本格的な税務調査期間である。もう40年以上も付き合っている知り合いの先生が6月の中旬、税務調査を受けた。この先生の場合は5年前にも調査を受けており大体5年おきくらいに調査を受けている。この先生の税務調査は2日ほどで終了したが、230万円の自費収入の漏れが判明して追徴され、過少申告加算金(10%)、延滞税(14.6%)を支払うはめになった。意図的な自費収入隠しではなく計算ミスから生じた結果であることが分かり重加算税(35%)にはならなかった。最近は歯科医院の調査もかなり減少してきている。高度経済成長時代の昭和45年~60年頃は歯科医院の税務調査も頻繁に実施されたが、経理の内容もいい加減でデパートでの洋服や趣味の絵画購入や娘の結婚費用まで経費になっていたケースもあった。国税局による査察や最近はあまり聞かなくなった「無予告調査」も多かったが、今はそれだけ収入が上がらなくなったという事情もあるのだろう。国税局の発表では2015年度の脱税総額は138億円で41年ぶりの最低水準だったと発表している。税務署も人手不足で全部調査するわけにはいかない。だからきちんと信頼できる経理をし、申告していれば何回も調査を受けるということはない。開業以来42年間税務調査は1度も受けていないという先生もいる。そういう先生の経営比率は極めて安定しているのが特徴である。税務署もいろいろ統計を取っているから歯科医院の経営比率も正確に把握しているはずである。例えば接待交際費の収入に対する比率は1.3%1.5%程度が平均だと思う。それが3%を超える比率(6%を超えている先生もいる)になっておれば接待した相手先や接待の理由等をメモしておくぐらいの手間は不可欠である。収入面では保険収入、特に窓口徴収額についてきちんと記録するとともに、未払いの患者に対しては再請求して、それでも未収となった場合は翌年に「貸倒金」として処理するくらいの慎重な処理をするべきであり、自費収入は必ず日計表に記載して領収証を発行する。筆者の調査では院長の行動に伴う費用として接待交際費、燃料費、研究図書費を収入で割った費用として「院長費用」という比率を出しているが、院長の行動力を把握する一つの指標として計算している。これは毎年3%前後で推移している。

№465 新幹線のお掃除劇場

昨年夏、仕事で仙台に出張した。東京駅で東海道新幹線から東北新幹線に乗り換えるためにホームに行くとパチパチと手をたたく音がしたので目を向けると、新幹線の車内掃除の人が掃除を終えて整列をしており、その人たちへの乗客の拍手であった。それが今話題になっている「新幹線のお掃除劇場」(JR東日本の新幹線車両の掃除請負会社、通称「テッセイ」)の社員たちであった。新幹線の停車時間は12分、乗客の乗り降りする時間の5分を引くと7分しかない。その7分の間に122名の社員が1人で普通車一車両(100席、グリーン車、トイレは3人で)清掃活動を行う。ゴミ拾い、座席の回転、窓やテーブルの拭き掃除、床の掃き掃除、座席の背もたれカバーの交換、荷棚の忘れ物チェック等をすべて一人で完璧にこなすことから、海外メディアで「新幹線お掃除劇場」として話題となり、アメリカ・カリフォルニア州のアーノルドシュワルツネッガー知事やフランスの国鉄総裁等が見学に訪れている。国内よりむしろ海外で「セブンミニッツミラクル」として有名で、世界の多くのリーダーが学ぶアメリカのマサチューセッツ州にあるハーバード大学・経営大学院や同大学の企業幹部向けの教材としても取り上げられているという。何故そのように話題になるのか?7分の間に複雑な作業を素早く成し遂げる様がまるで劇場のパフォーマンスのようだということから呼ばれているが、それだけではない。「掃除」と言うと3K(きつい、汚い、危険)の典型的な仕事で、失業した人とか仕事の無い人が一時的にやる仕事という位置づけで誰も真剣に取り組もうという人はいない。そのような働く意欲のない人に規律と喜びを与え、生きがいを見つけ出させる仕組みを作ったマネジメントに感銘を覚えるからである。この新幹線劇場を作り上げた矢部輝夫氏(同社の「おもてなし創造部長」)が目指したものは、お客様に旅行の満足を持ち帰ってもらう「旅の思い出作り」であり、それが「仕事」の成果ではなく、使命(ミッション)だとしている点にある。(矢部輝夫著「奇跡の職場」あさ出版)従って「徹底した規律と指揮命令」「絶妙のチームワーク」「やりがい、喜び、誇り」が不可欠だと断言している。話題になるにつれて、軽い気持ちで応募してくる人も多いそうだが、業務内容の大変さに挫折してしまい続かない人が多いそうだ。「テッセンの根幹をなすのは、オペレーションを完璧に実行するための指揮系統と管理体制だ」(同書129頁)と言い、担当する車両が入線する3分前までにホームに到着し、列車が来る方向に向かって一列に整列し、列車が入ってくると深々とお辞儀をして迎えるのだという。礼は安全確認でもあり、掃除以上のサービスを目指す心意気なのだろう。夏にはアロハシャツや浴衣を着たり、帽子にハイビスカスや桜の花をつけるなど社員のアイデアを取り入れてすがすがしく且つ楽しく実践している。

№464 国の幸福度指標

経済指標の一つにGDPGross Domestic Product:国内総生産)というのがある。国内で1年間に生産された総額を表す指標であり、アベノミクスでは実質GDP2%成長が掲げられている。またGDP600兆円という具体的な目標も掲げられている。日本は中国に次いで世界で第3番目のGDPを挙げており、2014年で約552兆円のGDPを挙げている。ただこのGDPはこの指標を提唱したサイモン・クズネッツがアメリカ議会で証言している通り、「GDPでは国民の幸せは測れない」のである。もとはその国の軍事力を測るために考案されたものだそうである。従って国民の幸福度を測る指標ではない。そこで国連では2012年に暮らしの質を計測した新統計と報告書「総合的な豊かさ報告書2012年」を発行し公表した。新統計では経済成長率ではなく、一国の経済活動の持続可能度を示す四つの資本、①国民の頭脳力である人的資本、②人が生産した資本、③国民の信頼関係である社会関係資本、④農業や鉱物資源を中心とした天然資本の四つの資本残高を計算しているが、日本は国全体ではアメリカに次いで世界で二位だそうである。(「日本経済の質はなぜ世界最高なのか」福島清彦著PHP新書)(なお国民一人当たりのGDP2013年で2428位である)しかし上記の4つの資本のうち、③の社会関係資本というのは、人と人の信頼関係の高さ、協調行動がとられる度合い、投票率、治安、教育、健康、人々が抱く幸福感等多くの指標から判断するとなっているが、具体的には数値化されていない。日本の場合、先ず①の人口増加と質の確保だ。2人目の出産をためらう人が調査対象の75%に上り、その理由に経済的な理由を挙げた人が86%になっているという。(前書)所得格差が進んでいるということも原因の一つだが、思い切って2人目の子供を産んだ夫婦には月額10万円、3人目の子供を産んだ夫婦には月額15万円を支給するくらいの政策をとるべきだ。またUR都市機構(住宅公団)では民間団地を借り上げて賃貸しているが、その空室率が19%だという。狭い2部屋を1部屋に改築して、若い夫婦で子供を2人以上産んでいる夫婦には格安で貸し出しするくらいの方法をとるべきだ。質の問題は日本の4年制大学進学率は51%で先進国平均65%より14%も低い進学率である。オーストラリアでは96%、韓国でも71%である。経済的に困窮している学生には国の育英資金から無利息で貸し出す制度を完備すべきであり、教育に関する予算は長期展望に立って支出すべきだ。最後の④の天然資本としての農業への支援策である。農業は高齢化が激しく平成23年の統計では耕作放棄地が全農地の40%に達しているという。放棄地への固定資産税を上げて手放しやすくすることと、農地の売買を容易にして株式会社の農業経営を促進するべきであり、山林への投資を促進するためにも森林組合を強化して計画的に国の資金を投資するべきだと思う。GDPばかりを追うのではなく生活内容に注目するべきだ。

№463 億円以上の自費収入

東京の渋谷で開業している歯科の先生とはもう35数年ほどのお付き合いだが、先日久しぶりに都内でお会いした。その先生は家賃が月額974,000円(1坪当り48,000円)という、とんでもない場所で開業している先生である。そのような場所では保険診療中心では経営が成り立たず、収入に占める家賃の比率も15%以内でないと経営は安定しない。その先生は従業員がおらず奥さんと2人で経営しており、気楽に経営できるのである。その先生の場合インプラントを何本も入れているかといえば、先生の方針としてまったくインプラントには手を付けないという方針である。歯内療法や歯周治療等々の治療を手掛けておられ、時には抜けた歯を移植する等も実施されているようである。かなり個性の強い先生だから患者に迎合せず、独自の方針、価値観を貫く経営をされている。その先生の所に来る患者が言うには、近くの大きい歯科医院に行ったら、やにわに自費診療を勧められたが、それでも「保険で!」というと院長がスーと消え、代わりに若い歯科医師が出て治療を受けたが麻酔の注射を打たれて削られたが痛みが取れないのだという。都内の地価高騰地域では、高い家賃は当たり前だが、治療生産性の悪い保険診療では全く採算が取れないのである。歯周のメンテナンスも保険ではなく自費扱いで1回が15,000円から20,000円程度を徴収しているが、この金額でも採算がとれないようである。しかし保険診療の看板を掲げて患者を呼び込まないと患者の確保ができないというジレンマに陥っているのである。この先生の場合も保険診療をやっており、患者の希望するようにまず保険で治療をし、その後通院して治療を受ける中で保険診療と自費診療の違いを説明して、自費診療を行うというパターンで診療しているのである。最近はジルコニアのクラウン等が相当数出ているようだ。少なくとも自費診療が年間2,000万円を超えないと都内では経営が成り立たないのではないか。だから衛生士や受付を教育して自費診療を積極的に奨めさせ、中には奨めていた患者が自費治療を受諾すれば治療費の何%かは給与に反映させている歯科医院もある。その歯科医院の院長の方針と周囲の環境によって、患者の所得階層にも大きい格差が生じているようだ。千葉市の郊外に城壁を巡らせ、管理人が24時間詰めているという高級住宅街があるが、その中に50数種類ものバラで囲った大きな邸宅を作り、音楽会や料理講習会を開催して患者を接待している歯科医院がある。自費収入が億円以上になるという医院は、スタッフに自費を勧めさせる等しなくてもすでにそのような富裕層の患者層が厚くなっており、無理することなく自費収入が挙がる経営になっているのである。

№462 日本の歯科医療費の問題点

ある医療法人(医科)の事務長と話す機会があり診療の効率化という問題になったときに、その事務長の話したことが強烈に印象に残った。それは病名ごとに診療手順を決め最も点数が高くなるよう診療モデルを作っており、勤務医にそのマニュアルを渡しそれに沿って診療するよう指示を出しているというのである。患者の個体、病状は種々様々であり従って治療内容も違ってくると思うが、マニュアルに沿って治療するというのは如何なものか?と素人ながら思ったものである。しかし今病院経営はかなり厳しい現状にあるという。「特定疾患療養管理料」は高血圧、胃炎、糖尿病等の32の疾患が認定されており、その病名が付けば外来診療で自動的に225点が加算され、これに再診料72点、外来管理加算52点が加算されて349点となる。しかしこれは開業医だけの点数で200床以上の病院では加算されないのだという。専門病院の外来で1時間手術の説明をしても1点にもならないというが、大きい規模の病院ほど経営環境は厳しい状況にある。一方で歯科医療経営もじり貧状況にある。経済学の視点から医療を分析した本を多く出版されている井伊雅子一橋大学教授が日本歯科医師会雑誌(20085月)に「データに基づいた政策理論の重要性」と題して記事を掲載されている。その中で、ワシントンDCに住んでいた時に通院していた歯科医院の院長に「ワシントンDCには大使館や国際機関も多く、世界各国からの患者を治療しているが、日本人の治療をして驚くことがある。自分たちが使っている歯科関連の機器は日本製のものが多く、最先端の歯科技術は日本が世界一だと思うが、患者として接する日本人の歯の状態は本当にひどい人たちがほとんどだ。一般の人たちはなぜ日本の高い技術の恩恵をほとんど受けていないのだろうか」と言われたと紹介し、日本の歯科医療の問題点は予防が保険適用されていないことだと指摘されている。もう一つの問題点は、歯科医療を安く受けられることはよいが保険診療が余りにも安すぎることだと指摘されている。現在の歯科治療の保険点数では、多くの患者を診ないと採算が取れないという実態が浮かび上がる。井伊教授は政府の社会保障審議会の医療保険部会の委員もされていたそうだが、その部会では各団体の利益を代表している委員が、それぞれの立場から発言し、最後のまとめは、いつの間にか厚生労働省から出ているという感じであったと述懐されている。最近はレセプトの電子化が進みいろんな角度からの分析ができるようになったと聞くが、歯の状況がよい患者ほど医療費が低くなっていることが証明できれば今の歯科医療を根本的に改善する方法が見いだせるのではないかと思う。

№461 待遇の改善とルール作り

介護や看護、建設業界をはじめあらゆる業界で入手不足が深刻化している。同時に給与賃金も上昇してきている。日本商工会議所が昨年8月に「人手不足への対応に関する調査」を実施しているが、それによると、特に人手不足が深刻化している業種は介護・看護業界で72.2%が不足を訴えている。その他運輸業が60.9%、建設業が60.7%である。その中でも特に一定のキャリアを積んだミドル級の人材への要求が67.9%と最も強く出されている。歯科医院の場合でも医療法人等は別として、個人の歯科医院では衛生士は勿論、受付や歯科助手の人手不足が深刻化している。ただ全ての歯科医院で深刻化しているのか、といえばそうでもない。歯周予防に力を入れ衛生士が4人(内常勤3人)もいるM歯科医院で受付の採用募集をかけたところ、直ちに5人が応募してきた。その中ではすでに病院での受付や一般企業での受付経験がある者もいて即活動できる人材がいる。その歯科医院は大都市の郊外で下町にあり立地条件もそれほど良いわけでもないが、その医院のホームページには「生涯にわたり、あなたのお口の健康に貢献できることが、私達の願いです」とある。そうして院長の診療方針や院内の診療風景が出されており、勉強会やミーティングの風景写真も出されていて親しみ易い好印象を与えているのが特徴である。結局5人のうち、独身女性で病院の受付経験もある41歳の女性が決め採用通知を出したところ就職を断られてしまった。面接を終え二度も見学しての結果がノーとなり院長が落胆することしきりである。何故断ってきたのか?いろいろ理由を当ってみるとそれは待遇面の問題である。通勤費は月額2万円まで支給すると答えているが、実際にかかる交通費は23,500円である。つまり3,500円は本人負担になる。それに有給休暇についての説明があいまいであり、給与規定はなく、就業規則も2ページ程度の簡単なものしかない。有給休暇は労働基準法で規定していることだから、「規定通りに対応します」と言えばよいし、またその通りに対処すべきである。給与規定はきちんとしたものを整備すべきであり、通勤費についても本当に優秀な人材を確保したいと思うのであれば、非課税の範囲(交通機関利用の最高額は10万円)は考えるべきである。大企業と行かなくても中小企業に十分対抗できる待遇条件を考え、その上で給与規定及び就業規則を整えるべきである。採用の競争相手は他の歯科医院ではなく、中小企業と認識すべきである。

   ※(お詫び)12月号で「国は衛生士の数を減らそうとしているという話を聞く」と書きましたが、全くのデマでした。ある県の歯科医師会理事の先生の話を確認せずに記事にしてしまい誤解を与えましたことをお詫び申し上げます。事実は全くその逆で、衛生士の離職を防ぐ対策を打ち出しているというのが実態のようです。

№460 医院経営の本気度

昨年11月に長野県伊那市にある伊那食品という会社を見学した。あらゆる寒天に関した食品や薬品を製造しており、国内シェアーは80%、世界でも15%のシェアーを持つという。寒天という限られた商品ではあるが世界のトップメーカーである。寒天は海で取れる「テングサ」が原料で、それを溶かしたり、固めたりして組み合わせを変えて、新しい価値や商品を作りだしている。実に単純な商品であり、食品以外に化粧品、医薬品、医学の研究では細胞培養のために利用されているという。この会社が掲げている経営方針は三つある。一つは「無理な成長は追わない」、二つ目は「敵を作らない」、最後は「成長の種まきを怠らない」この三つだという。48年間増収増益を続けているというから、寒天というありきたりの原料を徹底して研究し商品開発に徹してきたということである。「社員の幸せを実現するための経営」を謳い、創業以来社員をリストラせず、人件費をコストとは見ないという。経営は「社員の幸せを通して社会に貢献する」というのが経営理念だというが、なかなか理念通り実践することは容易ではない。しかし文字通り徹底して実践しているから凄い。本気度が違うと思う。だから従業員も何の疑いもなく上司の言うことを聞くし、行動するという習慣がついているのである。この会社を見学して思うのは、経営の本気度と言うことである。経営理念や社是というものに対しての経営者の本気度である。経営者の考えていることと行動が一致しないということは多いが、それが一切ないということである。だから「成長の種まきを怠らない」という方針が徹底されている。従業員それぞれが必死になって考え行動する。それが凄いと思う。経営者の腹が座っているというのか、本気になって考えていることが肌で感じられるということである。経営とは本来そうあるべきなのかもしれないと思う。ある先生から相談の電話がかかってきた。専従者である奥さんが、2人いる衛生士にそれぞれの給与明細表を間違って渡してしまい、一人の衛生士が退職すると怒っているのだという。なぜ怒っているのか?聞いてみると、二人とも子育て中であり、従って二人ともにパートとしての扱いではあったはずなのに、一方の衛生士は常勤扱いであり、育児手当まで支給していたというのである。そこでパート扱いを受けた衛生士が不平等であると院長に食って掛かってきたという次第である。問題は院長もそういう扱いをしているという事実を知らなかったことである。つまり給与計算をはじめ、経理全般の診療以外は全て専従者任せになっていたのである。基本的な問題は、院内における専従者の個人的な人間関係が診療所の人事まで影響していたという事実であり、院長は知らなかったというのは理屈にならない。結果的にはそれを許していたという事になる。院長は経営の基本としての「経営理念」を確立し、専従者を含めてスタッフ全員に徹底させる義務がある。その上で、チームワークを育てスタッフの人間的成長を促すというマネジメントが求められる。そのためには誰もが納得できる公平なルールが不可欠である。院長の本気度が試される訳だ。

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