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コラム『歯科医院経営を考える』

デンタル・マネジメント・センター代表 稲岡 勲

バックナンバー 2012

№423 三つの勘違い

「今後十数年に、日本中で高齢者が増え続け、特に高齢化が進んでいる過疎地を中心に全国共通の問題として対策を急速に進める必要がある」というどこかの新聞記事で見かけたような内容の話には三つの勘違いがあると、国際医療福祉大学大学院の高橋泰教授が指摘している。
先ず「今後数十年に、日本中で高齢者が増え続ける」というのは本当か?「高齢化率の上昇=高齢者数の増加」と勘違いしているという。高齢化率とは、総人口に占める65歳以上の人口の比率をいうが、平成23年10月1日現在では23.3%である。65歳以上の高齢者数は、2015年を過ぎるとほとんど増なくなり、2030年過ぎには75歳以上の後期高齢者が減り始める。
一方「0歳~64歳」は2005年頃から急速に減少し始め、その傾向は今後数十年続く。特に経済を支える15歳から64歳の人口が今後10年間で7,874千人減少(出生率中位、死亡率中位)すると予測されている。「高齢化率の分母が減少するために分子は大きくならなくても高齢化率が上昇する。支える人にいかに負担を掛けない老い方・死に方をするかが、重要になってくる。その意識転換をしないと社会がもたないかもしれない。65歳定年等という現状の社会通念は打破すべきで、元気で働ける人は70歳でも、80歳でも働くべきである。東京都内で開業している知り合いの歯科の先生は83歳でも奥さんと元気に診療されている。また高齢化が過疎地を中心に進展するというのも錯覚だという。2005年頃から都市部の高齢化のスピードが加速している。2010年から2025年までの15年間で、全国で700万人の後期高齢者が増加するが、その増加部分の55%が、日本の国土面積のわずか2%にすぎない首都圏、名古屋圏、大阪圏に集中するという。少し前に東京都から年金をもらっている高齢者を、岩手県の老人福祉施設が勧誘して呼び寄せ、預かっている老人を虐待し搾取していることが明るみに出て大きな問題になったが、今後大都市圏での高齢者が溢れて福祉のレベルが大きくダウンし、地方へ流出せざるを得ない状況になるのではないか。
また高齢化は全国共通の問題というが、全国共通ではなく、地域別に考える必要があるという。2010年から2030年までの間に、75歳以上の後期高齢者は、埼玉で2.15倍、千葉では2.03倍、神奈川では1.93倍等に増加する一方、島根が1.18倍、山形が1.2倍、秋田が1.22倍等の1倍強にとどまる。今後は大都市圏での高齢者福祉の問題が浮上してくるとともに、どうしたら元気で歳を重ねるかが課題になる。高齢者の健康維持のためにも、歯の健康維持は不可欠となり、PMTCやスケーリング等、また義歯の調整や噛み合せ障害等、自医院患者の高齢化に伴う問題を整理して、どうするかの対策を考えておくべきである。

№422 子育てしつけ

江戸時代には丁稚小僧を優秀な商人に育てる「子育てしぐさ」として成長や自立を手助けする養育や鍛育が行われていた。(現在は知育に重点が置かれている)その教育方針は「三つ心、六つ躾(しつけ)、九つ言葉、十二文、十五理(ことわり)で末決まる」とされていたという。最初の「三つ心」とは、3歳までに心の豊かさを教えなさいということである。江戸の町人達は、人間は脳と体と心の三つから成っていると考え、生まれた時には心と体がつながっていないと考えた。心は脳と体を結びつける糸のようなものと考え、一日一日、心の豊かさや感性を磨いてあげて心の糸を紡いでいけば、3年で千本以上の糸が出来上がり切れる心配はない。3歳までにこの糸を綿密に張ってしまえば、豊かな心に従った善い行い、感情豊かな表情のできる子が育つ。「六つの躾」は3歳までに張った糸を自由に動かす動かし方、躾をしなさいということで、「挨拶をしなさい」「席を譲りなさい」「お礼を言いなさい」等々教え込み、癖になるまで繰り返し訓練し実践させ、身につけさせた。「九つ言葉」とは、9歳までには商人の子供らしい挨拶、大人の言葉、世辞が言えるようにしたという。ここでいう世辞は「お世辞」ではなく、相手を慮る言葉、例えば「○○さん今日は。今日はお暑いですね」という挨拶に次いで「お身体は大丈夫ですか」などの相手を慮る言葉を付け加えるということである。昔は9歳で丁稚奉公に出されたから挨拶ができるのは当たり前で、商人の将来性は、ほとんどこの歳で決まったといわれている。「十二文」とは12歳までに文章を書けるようにしなさいということである。主人の代書ができるように「挨拶状」「お礼状」「お詫び状」等それぞれ季節の挨拶を入れて、きちんと書けるように教育した。「十五理(ことわり)で末決まる」とは15歳で元服したから、それまでに世の中の理、物事の道理(経済、物理、化学、心理学等)が理解できるように教育したのである。この歳になると、商人に向く子供や、学者の道に進む子供等子供の個性を尊重し能力を洞察し、将来を見抜いて、その子にあった道に振り分けるのが寺子屋の師匠の務めだったそうである。ここで「心、躾、言葉、文、理」は順番が重要で、最初に心を取り上げていることに注目したい。歯科医院のスタッフ教育でも同じで、心すなわち感性を高める教育、それも意識を相手に向ける教育が不可欠である。その上でどのような言葉をかけ、どのような対応をするかを教えることだ。相手への関心を高める教育には、院長や主任等指導者が常に問いかける習慣をつけるのが一番である。「この間来たAさんが帰り際に、○○と言ってムッとした態度をとったのは何故だと思う」とか「患者のBさんは、後で来院したCさんが先に呼ばれた時、変な顔をしたのは何故だと思う?」等々常に意識を患者に向けていることの重要性を教えていくことである。
 

№421 ブルーオーシャン戦略

登記上の本店を山口市佐山に置くユニクロ(ファーストリテイリング)は商品企画から生産、物流、販売までを一貫して行うSPA(アパレル製造小売業)のビジネスモデルを構築し、高品質のカジュアルウエアを中心に、手ごろな価格で売ることで飛躍的に売り上げを伸ばし、成長を遂げた会社だが、保湿性に優れた「ヒートテック」や「ブラトップ」、発汗性、防臭性に優れた「シルキードライ」、「サラファイン」等従来の衣料品にはない機能性を持った製品を生み出して成功している。1998年頃には「フリース旋風」といわれるフリース(ポリエステル系の一種で、肌触りがよく、保湿性、即乾性、軽量で洗濯が可能)で一段と売り上げを伸ばしている。ユニクロの強みはこのカジュアルウエアに特化したところにあると指摘されているが、昨年のグループ全体の売上高は8203億円、店舗数2088店、内海外275店である。当初宇部市で「メンズショップOS」として出発し、1984年に広島中区で「ユニーク・クロージング・ウエアハウス」を開きユニクロ第1号店がオープンしたとされる。2002年~2003年にかけて業績は振るわなかったがフランスの婦人服企業やランジェリー製作会社等を買収してグループ化を図り、その後二桁成長を遂げている。ユニクロがここまで大きく躍進した理由は、その経営戦略にあるとされる。従来のアパレルメーカーはファッション性を重視するあまり、誰でも気軽に着られるカジュアル(普段着)を軽視する傾向にあったのを逆手にとって、先ずカジュアル商品に特化したこと。SPAという商品企画から、生産、物流、広告宣伝等の機能を一貫して行う垂直統合ビジネスモデルを採用したことが大きい。また新しい需要を生み出す戦略としてブルーオーシャン戦略をとっている。(レッドオーシャンのように競争の厳しい市場ではなく)このブルーオーシャン戦略は、競争者の居ない新たな市場でユーザーに高付加価値で低コストの商品を提供しようとする戦略である。例えばシルクを使ったシャツ等素材は良いが値段は「あれっ!」と驚くほど高くないという商品を手掛けている。そうした戦略が成功するのは、今までと違った客層を視野に置いているからで、競争者がいないのである。日本では今後も益々所得格差が大きくなると言われているが、高所得者か低所得者のどちらかを対象にするのでではなく、別の違った角度から客層を捉える思考が必要となってきている。歯科医療においても、保険か、自費かという発想だけから見るのではなく、生活者の立場からより自然歯にちかく、硬くて噛みやすい歯を、少し無理をすれば支払える価格で提供できないか。ジルコニアクラウンとか、ハイブリッドセラミック、オールセラミック等々、患者視点で見直して見ることが必要になってきていると思う。

№420 カンファタブル・ライフ・シンドローム

日経は7月の日曜版で「デジタル新市場、日本勢の影薄く」として特集を組んでいる。主なデジタル分野で日本の地盤沈下が著しく、スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット(多機能携帯端末)では日本企業の影さえ見えない状況だ。2011年のタブレットの世界出荷台数は9776万8000台というから約1億台で、今後もノートパソコン等に置き換わるというから、世界的な規模で急拡大する可能性が大きい。タブレットのシェアー1位はアップルで41.4%、2位アマゾンが22.3%、3位バーンズ・アンド・ノーブルで7.2%、全てアメリカの会社である。スマートフォンの第1位は韓国のサムスン電子の19.1%、アップルが2位で18%、3位フィンランドのノキアが15.6%であり、日本企業は影さえ見えない。薄型TVでもサムスン電子が23.8%で1位、同じ韓国のLG電子が13.7%で2位、第3位がソニーの10.6%となっており、日本勢のかつての勢いは影もない。最近のニュースでもシャープの2012年3月期は2900億円の赤字で工場売却等を計画しているし、ソニーでも2200億円の純損失で従業員の大量解雇を進めていて、その退潮ぶりには目を覆いたくなる。日本が強いのはカメラのような精密機械やNC装置(工作機械や産業用ロボットの動きを数値的に制御するシステム)が中心で、自動車の存在はまだまだ大きいが、エレクトロニクス分野では退潮が著しい。駆動機構の小型化等の洗練されたものづくり技術が得意のビデオカメラやインクジェットプリンターのシェアーは高く、日本は伝統的な機械系の市場での強さとともに多関節ロボットや産業車両等では世界シェアーの首位を占めている。しかしソフトウェアがものをいう携帯電話端末市場ではアップルやサムスンは勿論中国にも劣後している。アナリストの若林秀樹氏は「日本の電機メーカーは当該機器の世界市場が1億台を突破すると、途端に競争力を失う」と指摘している。またペンシルベニア大学のフランクリン・アレン教授は、「日本はカンファタブル・ライフ・シンドローム(快適な生活症候群)に陥っている」と指摘し、「日本からアイフォーンやアンドロイド(米グーグルの基本ソフト)が生まれなかったのは何故か?何故市場から脱落してしまったのか?それはグローバルな融合を果たせなかったからだ。世界トップレベルのテクロジーを持っていても、他国と交じり合わねば国際シェアーに食い込めるような製品は開発できない」と指摘している。今業績不振を理由に中年の技術者が解雇されるケースが増えている。その中年技術者が韓国、中国、台湾企業に再就職することによって技術移転が進んでいるといわれているが、人材の確保と人材の活用を真剣に考えないと優秀な技術の海外移転が急速に進み、あっという間にシェアーを奪われる。「技術は金を生むが、技術者はかねを使う」等と人材を軽視した経営はやがて市場から消えていく運命にあるのではないか。同時に海外から優秀な人材を取り込むことだ。歯科医院経営においても人財の活用がその医院の存在を決定づける重要なファクターになっていきている。

№419 楽しい歯科医院づくり

日本歯科医療管理学会総会が今年は沖縄で開催され出席した。大会のメインテーマが「楽しい歯科医院」という今までにないユニークなテーマだった。特別講演の高津茂樹先生の講演も「院内でうれしいことをメモすると、歯科医院はどんどん楽しくなる」というテーマで意味深い内容だった。それぞれの人間の持っている感情は、理屈で割り切れないものがある。それを理屈で「楽しく」しようと号令をかけても白々しい雰囲気になるのがオチである。そこで「うれしい」と感じたことをできるだけ多くメモする。それを院内でそれぞれが公表しあうことで院内が楽しくなるという。こうした事実の積み上げと幸せ体験が重要ではないか。主に九州地方の歯科医院で衛生士144人、歯科助手118人にアンケート調査もされているが、衛生士の「うれしい」ことの体験事例では、「ブリッジや義歯の印象がきれいに取れた時」「主任を任された時」「リコールハガキにいつも一言メッセージとイラストを書いていたら、あなたのハガキを楽しみにしている」とか「もっと早く磨き方を習いたかった。今日来てよかった」と患者から言われたとき、また同僚からは「子供からお年寄りまで、相手にあった言葉づかい、気配りをしていたら、後輩から尊敬された」等々が報告されている。歯科助手も「お疲れ様でしたと声をかけたら、ホッとされた表情で痛みが取れてよかったと感謝された」とか「年配の患者さんを待合室からユニットまで手をとって誘導したとき、お礼を言われた」等の回答が寄せられている。アンケートでも「うれしい」ことをたくさん経験している衛生士は、院内が「大変楽しい」と感じている比率は68%、「うれしい」ことをまあまあ体験している衛生士が、院内は「大変楽しい」と感じている比率は29%であり、両者を合わせると97%になる。つまり「うれしい」体験を多く持つことが院内で「大変楽しい」と感じる要因になっていることである。高津先生は「ありがとう」と言われると誰も「うれしいな」と感じる、だから『私も「ありがとう」と言おう』⇒みんなに「ありがとう」と言って感謝の気持ちを伝えよう⇒院内雰囲気が良くなっていく気がする⇒1日1回「ありがとう」と言っているか⇒周りを見渡して「ありがとう」と言われることを探そうと提唱されている。このような「うれしい」こと探しのように前向きになることが大切なのではないか。特に言葉数の少ない口下手の先生にとって、このような雰囲気作りは大切だと思う。また文房道具屋に行くとSHOT NOTEという手のひらサイズのメモ帳が売っており、これをI PhoneやAndroid対応でカメラに収めて整理できるようになっているから院内で検討、整理するには便利である。

№418 上司の覚悟 

先日、広島市で「美しい日本の歌を伝えたい」という演題で「由紀さおり」さんの講演を聞く機会があった。3年ほど前から幼稚園を訪れて歌の指導を講演しているという。それは日本語の美しい歌が忘れ去られていくことが悲しいから、若い人にも伝えたいと思い立ったということだった。サトウハチロウの作詞「誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが みつけた。 ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 見つけた。・・・」というこの童謡の「ちいさい秋」というのはどのような意味か?これは大きい秋ではなく、小さい秋、つまり「秋の気配」を感じて歌っているのだという。子供たちにこうした情景をも伝えて歌の指導をしているそうである。また「夕焼け小焼けで日が暮れて・・・」という「が」を鼻濁音で歌うから情感溢れる光景が目に浮かんでくる。最近流行歌手でも、鼻濁音の「が」が発音できない歌手が増えてきているという。日本語では「胡麻豆腐」「銀世界」という鼻濁音が「語頭」にあるときは閉鼻状態で発音するが、「銀河」「道具」「名残り惜しい」という場合のように、語中、語尾にある時は開鼻状態で発音する。しかし今や鼻濁音は死音になっている。流行歌の女王といわれた美空ひばりの歌の魅力は鼻濁音の美しさにあると思う。「りんご追分」「悲しい酒」「越後獅子の歌」等はその典型だと思う。年齢の高い谷村新司のような高齢の歌手でもこの鼻濁音で歌っていない。さだまさしは長崎県出身だが、きちんと鼻濁音で歌っている。どうも関西出身の歌手は比較的この発音ができない歌手が多いと思う。最近はジャズやロック等の西洋音楽が多くなったせいか日本古来の感性が失われつつあるようで残念である。筆者宅に1週間に何日か孫(小六女、小三男)の二人が書道教室に通うためにやってくるが、せっかく書道という日本字を習うのだから、挨拶や返事をしっかりできるように、しつけも学んでほしいと思い実践していることがある。それは「おはよう」「こんにちわ」等のあいさつと履物を揃えることである。「履物を揃えなさい」とは一切言わない。ただ脱ぎ散らかした履物を、気が付いた時にこちらが黙ってせっせと揃えるだけなのである。3か月くらい続けると孫たちも時々揃えるようになった。挨拶も私の書斎に入ってきて挨拶をするようになった。ところが大人の親の方がダメなのである。苦言を呈した時は揃えるが、すぐ忘れてしまう。感性豊かな孫のためにもこれだけは徹底して実践して範を垂れたいと思う。ある医院でも院長が便所掃除をしている院長がいる。半年続けて初めてスタッフが掃除をしてくれるようになったそうである。ただこの院長の場合は自己修行の一環として実践しているのだが、人は以心伝心、部下特に若い部下は上司の無言の背中を見て育つのではないか。上司にはそれだけの覚悟がいるということだ。

№417 少子化対策の意味

先進国では軒並みに少子化が進んでいるが、唯一フランスだけが少子化を脱した国と言われているWHOが2009年に発表している合計特殊出生率での先進国の一番はアメリカで2.1、次いでフランスの1.6である。最低は韓国の1.2で日本は1.3だ。フランスが採っている少子化対策は実にきめ細かい。出産、育児に対する公的な助成は、①妊娠・出産手当(妊娠5か月~出産)すべての費用の保険適用、②乳幼児手当(妊娠5か月~生後3歳)・・・子供1人で月額約23,000円、③家族手当(1ユーロ=140円換算)は子供2人以上で月額16,109円(子供1人は手当なし)以後子供が1人増えるごとに月額20,639円が追加され、子供が20歳になるまで支給される。更に子供が成長していくに従って支給額も増え、11歳~16歳までは月額4,350円がプラスされ、16歳以上になると8,055円に増額される。④新学期手当(小学生以上)年に約29,000円、⑤産後の母親の運動療法・・・保険金額支給、⑥双子若しくは子供3人以上など・・・家事代行格安派遣(週1~2回)、⑦片親手当・・・子供1人で月額約76,000円、1人増える毎に月額19,000円支給、これだけではない、出産休暇が産前6週間、産後10週間(日本は8週間)であり、休暇中は所得の84%が補償されている。また育児休業手当は子供が3歳になるまで取得することが可能だが、その間全面的に職業活動を停止した場合には月額67,000円、50%~80%稼動で月額39,000円が受け取れる。フランスの少子化対策費用はGDP(国内総生産)の2.8%に対して日本はわずか0.6%である。フランス女性の場合、6歳未満の子供を持つ母親の就業率は、日本の場合35.2%に対して、フランスは64.7%だというが、上記の少子化対策を見れば当然だと思う。しかしフランスは何故こうまでして人口維持に力を入れるのか?地続きの他国からの侵略で争った歴史もあり、現在の人口を維持することがヨーロッパにおけるフランスの地位を保つことにつながるということだろう。ところが税制面でみると、フランスの所得税はかなり低い所得に対しても課税されており、非課税所得額は5.963ユーロ(1ユーロ=140円換算で834,820円)までであり、5,964ユーロから11,896ユーロ(1,665,440円)までが税率5.5%、11,897~26,420ユーロが14%の税率になっている。最高税率は70,830ユーロ(約991万円)以上で41%である。ところで税金計算をするときに、所得額を子供の数に本人の1を足した数で割って税率を掛けることになっている。課税所得75,000ユーロだとすると税率41%で30,750ユーロの税額になるが、子供3人なら4で割ると18,750ユーロになり、これに税率14%をかけて2,625ユーロになる。この2,625ユーロ×4=10,500ユーロが税額になる。高い税率つまり高額所得者ほど子供の数による減額効果が大きいのである。日本の場合は、生む、生まないは個人自由という意識が強いが、フランスの場合明らかに国家戦略として意味深長な制度になっている。

№416 包括歯科臨床

前月のタマヰニュース(788号)の「歯科医院経営を考える」(No.415)では、筆者の義歯装着の例を取り上げて「治療の会話術」という話題を掲載したが、読者の一人の先生からお手紙を頂戴した。上記原稿の中で治療をしてくれた先生の治療方法についての説明が今一つ明瞭ではないことを嘆いた下りがあった。それに対して手紙をくれた先生が懇切丁寧に、先生と患者との問答集の要領で説明してくれているのである。図入りで実に8ページにわたる解説をしていただいた。ただただ恐縮の限りである。それにしても実に分かり易い説明で患者の疑問に的確に答えてくれている。先ず「第1大臼歯」を抜いた場合と、「第1大臼歯」「第2大臼歯」の2本を抜いた場合の違いを説明されている。第1大臼歯だけだと噛む能力の低下は10%程度だが、大臼歯2本を抜くと35%くらいに大きく低下するという。確かに実際に実感することだが、さらに患者の言い分として(第1大臼歯を抜いて)さらに「第2大臼歯」を抜いた時に、「2~3日はすごく不自由でしたが、最近余り不自由さを感じなくなってきました。ここに歯を作る必要があるのですか?」この患者の素朴な疑問は事実そのものだ。経験してみないと分からないかもしれないが、慣れてくると別に入れなくてもそれほど違和を感じないのである。しかしその時先生は次のような指摘をされている。「抜いてなくなった時点では、急に噛めなくなるので不自由ですが、段々反対側や前歯でこれを補ってしまうのです。しかし実際には十分に噛みこなれていないのです。慣れというのは恐ろしいもので無くても平気になってしまいます。でもこれが良くないことは、先ずカマボコを噛んで出してみます。すると大きな塊になって出てきます。要はよく噛めていないものを飲み込んでいるわけで、そのつけは胃が少し悲鳴を上げているわけです」このような下りの会話は、本当に患者の身になってみないと分からないのではないか、患者心理を見抜いた実に的確な指摘であると思う。患者もこのように説明されたら納得でき、「やっぱり入れた方がよさそうなので義歯を作ってください」ということになる。筆者の場合は先生が挙げていただいた中の「ノンクラスプデンチャー」だと分ったが、治療してくれた先生もいろいろ配慮した上でこれが一番適切だと判断してくれたのだと理解でき感謝している。「包括歯科臨床とは、患者さんを、その人の生活の中で理解し、その病態を炎症と力の要素について包括的な視点から診査し、顎口腔系の調和を乱す因子を見つけ、取り除き、生体の持って生まれた治癒能を引き出す。その不足する部分を補うために修復の手を加える」筒井昌秀、照子先生共著「包括歯科臨床」(クインテッセンス出版)とあるが、生きた人間を見据えるという原点が不可欠なのだと教えてくれていると思う。

№415 治療の会話術

筆者もとうとう義歯のお世話になることになった。知り合いの先生に右の下顎、第1大臼歯と第2大臼歯に義歯を入れてもらった。インプラントという方法もあったが、いろいろ経験してみたいと思い義歯にした。想像していた以上に不便なもので咬み辛いものだ。知り合いの先生は、デジタルレントゲンで撮影後すぐに画面に口腔内の映像を映し出して見せてくれるから、理解し易く分かり易い。先生の診断を聞いていて成程とよく理解できるし、自分の口腔内の現状はよく分かったのだが、ただ治療方法としてどのような方法があるのか、それぞれどのような問題や特性があるのかの説明がなく、ただ義歯にしましょうか、インプラントにしましょうかというだけなのである。筆者の理解度から省略したのかもしれないが、せっかくのデジタルレントゲンの映像が生かされていないと思う。それぞれの方法の特徴や欠点等を整理して説明し、保険ではどのような問題があり、インプラントの場合はどうなのか等説明をして欲しいと思う。ただその場合、先生の考え方や方針等をはっきり話しておいた上で、いくつかの治療方法を提示して、どうしますか?と尋ねてもらえば、患者は自分の思いや考えを述べる機会が持てるが、「義歯か、インプラントか?」と言われ「義歯で」と答えてしまうと先生自身も患者がどのような理由で「義歯」と答えているかが分からない。患者に質問をすることで患者の思いや心配事が分かってくると思う。ただ患者によっては、先生を前にして自由に自分の考えを述べることができず、圧迫感を感じてしまう患者もいる。自費を勧められて断りきれないのではないかと心配する患者もいる。そういう場合は患者に自由に話をさせる雰囲気が不可欠になる。それには会話術というものが必要で、医療の現場では患者の心理をくみ取って話しやすい雰囲気で会話する技術が治療技術と同程度に重要不可欠だと思う。一通りの説明をした上で、「急いで結論を出す必要はないのですよ」と安心させ、「スタッフと相談してください」とスタッフに相談して決めてもらう方法があってもよいのではないか。保険診療では1レセプト単価が徐々に低下してきており(約10年間に20%減少している)残念ながらゆっくり患者と会話する時間的余裕がなくなりつつある。だからといって会話しないで治療しているとトラブルのもとになる。先ず患者の主訴を聞くところから始まるが、よく耳を傾けて聞き取ることと、適宜質問することだと思う。「今緊張されていますか」「痛みに対して弱い方ですか」等々患者がどう思っているか直接質問すれば患者も安心するし、患者が何を考えているかがよく分かる。こうした質問は患者に気遣っていることへのシグナルになるから患者も安心できるのである。

№414 自己反省と自己成長 

法政大学教授の坂本光司先生が「日本でいちばん大切にしたい会社」というタイトルの本を出版し(あさ出版刊)、その中で五つの会社を紹介している。取り上げた理由は、好業績を挙げているだけでなく、中小企業の五つの言い訳(「景気や政策が悪い」「業種、業態が悪い」「規模が小さい」「ロケーションが悪い」「大企業、大型店が悪い」の五つである)をことごとく否定して、従業員およびその家族、あるいは下請企業や顧客を大切にしているからだという。大切にしたいと取り上げている会社の一つにダストレスチョークを製造している社員60名ほどの日本理化学工業株式会社がある。この会社の障害者雇用率は社員の七割にもなってきているという。50年前のある日、近くの養護学校の先生が訪ねてきて障害を持つ二人の少女の就職を依頼してきたが、それは無理ですと断り続けた。それなら最後にせめて一週間だけでも働く体験をさせてやってくださいと頼まれて業務体験をしてもらうことにした。そうしたらこの少女たちは、朝8時が始業時間だというのに毎日朝7時には玄関前に出勤してくる。休み時間も手を休めようとはせず、一心不乱に働いたという。会社で毎日働くよりも施設でゆっくりしていれば楽でよいのに、何故きつい仕事をしたがるのか?と社長が禅寺の和尚さんに聞いたら、幸福とは、①人に愛されること、②人に褒められること、③人の役に立つこと、④人に必要とされることであり、このうち②と③と④は施設では得られないと言われた。そうして今日で体験学習も終わりという日に、社員の代表が来て、知的障害を持つ少女二人を、「私たちがカバーするからぜひ採用してあげてくれ」といい全社員のたっての願いだという。そうして今では社員の7割が障害者だという。多くの大企業で障害者の法定雇用率を達成しないで、納付金(罰金?)を収めているのが現状である。しかも日本理化学工業での商品開発は正常者と障害者の協力によって次々に生み出して、チョークでのシェアーは30%だという。人間にとって生きるということは、必要とされて働き、それによって自分で稼いで、自立することである。
ところで歯科医院での仕事は、上記の条件の③と④は自動的に満たしてくれる仕事である。しかしそれはスタッフ自身に気づかせ、意識させることが必要なのである。新人で入ってきたときには、患者に感謝され喜ばれることで、肌で感じていい仕事だと素直に感謝できるのだが、何年か経つと感度が鈍くなってくる。だから周期的に見直しを図る必要がある。それにはスタッフのミーティングで、いろいろな患者の感想や意見や行動を取り上げて検討するとともに、患者はどのように感じているか、どうしてあげることが患者の納得や安心につながるのか等、徹底して繰り返し検討することである。そうすることで患者との関係を深め、自己反省を深め、自己成長へとつながって①と②の実現につながるのである。

№413 集団的個別指導と1レセ単価

平成24年度歯科診療報酬の改定率が1.7%のプラス改定(医療費ベースでは500億円)となった。(医科は1.55%のプラス改定、医療費全体では0.004%のプラス改定で小宮山厚労相はこれを「首の皮1枚の改定」と表現している)平成22年度の改定率が2.09%であったから、それよりも低い率だが、プラスになっただけでも良しとしなければならないのかもしれない。しかしこれは予算上の話で1.7%の改定率だといっても、実際に実額で500億円増加するかどうかが問題である。施設基準が設けられ、高いハードルが作られているからなかなか算定が進まない実態である。例えば診療行為別調査によれば、歯科治療総合医療管理料は、全国で10,789施設が届け出ているが、算定回数はわずか2,171回である。つまりほとんど使われていないということだ。このような改定がいくら実施されても改定率がプラスだと単純に喜ぶわけにはいかない。また高点数診療所への指導も徐々に厳しさを増しているように思う。集団的個別指導は1レセプト当たりの平均点数が、県の平均より20%超えている場合(病院は10%超)に適用され、1件当たりの平均点数が高い順に選定し、一定の場所に集められて面接懇談方式により簡便な指導を受けるというものである。さらに都道府県単位で個別指導が実施される。「集団的個別指導を受けた保険医療機関等のうち、翌年度の実績が上位半数以上(全医療機関の4%程度)に入った場合に個別指導の対象となるとされている。ただレセプト件数が少ない医療機関は、高齢の院長が多いということもあり対象外とされているようである。支払基金は今年の3月(2月診療分)から電子レセプトを対象に「突合点検」、「縦覧点検」を実施するという。前者は歯科レセプトの傷病名と調剤レセプトの医薬品の適応症・投与日数などの点検をするといい、後者は1人の患者に対する当月レセプトと過去の請求レセプトが照会され、算定ルールや算定回数、過去の審査履歴を踏まえた医療機関単位での点検が実施される。今は電子レセプトを普及させることが主目標であるから、余り厳しいチェックはないと思うが、今後コンピューターを使ったきめ細かい審査体制が確立すると思う。点数の高低だけでなく各歯科医院での診療や治療方針、治療技術の巧拙等々いろんな分析が可能になる。さらにその先には、国民総背番号制の導入により患者一人一人の使った医療費の算定や支払った保険料等々把握されるようになると思う。以上から推量できることは、国の医療財政の緊縮に伴い医療機関への締め付けが徐々に厳しくなるということであり、ニッチもサッチもいかなくなり音を上げるころに保険制度の見直しが待っているのではないか。某税理士事務所の統計によれば、歯科医院の1レセプト単価が平成14年から、平成23年の9年間で22.5%も減少している事実が裏付けていると思う。近未来を想定すれば、今通院してくれている患者をしっかり囲い込む体制を早急に作っておくべきである。

№412 患者との絆づくりを

昨年3月には東日本大震災とそれに伴う原発事故によって多くの人命が失われた。親や兄弟をなくされた人や生き残っても離れ離れの生活を強いられる人もいる。「2011年の漢字」は「絆」だったが、家族や夫婦や隣人といった人と人の関係が見直されるようになってきており「絆」が選ばれたというのも頷ける。広辞苑によれば「絆」とは、①「馬、犬、鷹等動物を繋ぎ止める綱」②「断つに忍びない恩愛」③「自由を束縛するもの」とある。日本は高度経済成長時代に働く場が広がるとともに家族や親戚、隣人の関係が希薄になっていった。隣の人の顔もしらないという人もいる。当時「絆」は③の「自由を束縛するものだ」という解釈が主流だったのだろう。それが環境の変化とともに、②へと解釈が変わりつつあるということだ。今後は高齢化とともに人と人の関係や情愛が重視され大切にされる社会に変わっていくのではないか。そもそも医科でも歯科でも、医療は人と人の関係の上に信頼を基として成り立っている。患者から見て余ほど技術的に劣るのでなければ、親しく優しい信頼のおける先生に診てもらいたいと思うのは人情というものだ。患者の死亡や病気で来院しなくなることはあっても、元気なのに来院しなくなるというのは転院を意味することだ。従って基本的に医療経営においては、競争という概念はないと思う。去っていくのは何か満たされないものがあるからだ。新規の患者を獲得するためには、デザインや診療所の塗り替え、設備の充実等は必要で、その意味では競争だが、一旦来院した患者をしっかり繋ぎ止める関係づくり、「絆」作りをすれば、簡単に転院することはない。競争があるとすれば技術である。明らかに技術による格差を認識し、それが自己の許容限度を超えた時に患者は去っていく。だから院長自ら技術的に難しい症例の場合は他の医院に紹介するべきである。無理に手掛けないことである。それが患者との信頼関係維持の基になっている。すべてを自分の手で治療することが信頼を増すことにならない。要はその患者の立場、患者の意思を中心に考えるべきで、その患者の病状と期待、感情、恐れと院長自身の技術的な自信を考慮して決定するべきである。また自己の技術に自信がある場合は、患者に自費診療を勧めるべきだが、患者が押し付けられたと考えないか気にする先生が多い。しかし患者の歯への思いをくみ取って、このような治療方法もあるということはしっかり話しておく必要がある。その上で患者の意思を尊重すればよいことで、患者の心中を慮って自費診療の説明を省いてしまう先生も結構多い。押し付けにならないよう十分な配慮は必要だが、患者にプラスになる情報はキチンと話すべきである。また一人一人の患者の情報は文章化してスタッフ間で共有するべきである。カルテも患者毎ではなく、家族単位にすべきだ。患者との絆は院長、スタッフと患者との間でガッチリ構築していくべきである。

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